FEATURE 特集情報

2019.02.19

お知らせ・イベント情報

河北新報でマインドフルネス特集記事が掲載されました。

<ニュース深掘り>注目されるマインドフルネス 被災地でも心のケアに

以下は掲載記事を抜粋

世知辛い世の中で心を整える方法として瞑想(めいそう)や呼吸法を取材し、昨秋に夕刊で特集記事を組んだ。その中で仏教の瞑想を源流とし、自己をありのままに観察するマインドフルネスに対する社会の関心が高まっていると感じた。東日本大震災の被災地支援の取り組みにも生かされており、さらなる広がりに期待したい。

マインドフルネスのやり方はシンプルだ。初歩では姿勢を正して座り、呼吸に伴う腹部の動きに意識を向けて「膨らみ、膨らみ」「縮み、縮み」などと心の中で動きを実況中継する。
 途中で感情や思考、気になる音が出てきても、とらわれずに「妄想」「雑念」「音」などと客観視して今に集中する。五感で感じることと、そこから生じる心の動きに気付くことを原理とする。
 2013年9月には大学教授や宗教者らによる日本マインドフルネス学会(東京都)が設立され、研究が進んでいる。マインドフルネスでストレスが減り、集中力や洞察力、安心感などが増すことは脳科学でも実証されている。
 人間関係で悩み、5年前にマインドフルネスを始めたという仙台市の50代男性会社員は「心の『癖』が分かり、感情を制御しやすくなった。続けることが大事だ」と話す。
 高度情報化社会の最先端にいる米IT大手グーグルが約12年前、社員研修でマインドフルネスを導入して話題になった。日本でも徐々に注目が集まり、仙台市内では専門コーナーを置く書店もある。
 瞑想本を20冊以上出した出版社サンガ(仙台市)の佐藤由樹編集長(43)は「インターネットの発展で情報があふれ、感情が刺激されて心が混乱している人が多い。マインドフルネスで心を整えようとする人が増えている」と説明する。
 泉区の単立寺院「みんなの寺」は15年前から、マインドフルネスの起源とされる仏教のビパッサナー瞑想の会を無料で開催。参加者は少しずつ増え、多い時で20人以上が参加している。
 ビパッサナーとマインドフルネスの違いは、端的に言えば宗教色の有無だ。同寺の天野雅亮住職(50)は「どちらも地道に続ければ煩悩との付き合い方が分かり、エゴが弱くなってくる。瞑想で生き方が丁寧になる」と言う。

マインドフルネスは幅広い分野で活用されている。高野山大文学部(和歌山県高野町)の井上ウィマラ教授(59)は宮城県南三陸町など震災被災地を毎年ボランティアで訪問。医療関係者らに瞑想してもらい、心のケアに当たる。
 「医療関係者にはままならない感情で苦しむ人への対処法などを助言している。トラウマケアやグリーフケアにも有効だ」と井上教授。「瞑想で心にスペースができ、感情が暴走しなくなる。慈しみの心も育つ」と効用を説く。
 井上教授は日本人の精神性との相性の良さも挙げる。「マインドフルネスは仏教の念にルーツがあり、能や茶道などの芸道を通じて日本文化に根を下ろしている」という。
 日本マインドフルネス学会副理事長で早大応用脳科学研究所の熊野宏昭所長(58)は「頭でっかちになりがちな自分から離れ、現実を等身大で感じ取れる」と語る。今後、ストレス対策やモチベーション向上策として日本の企業や各種団体でも導入する所が増えるだろう。(夕刊編集部・沼倉淳)

 

[マインドフルネス]日本マインドフルネス学会は「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観(み)ること」と定義。1979年にジョン・カバット・ジン氏(現・マサチューセッツ大医学大学院教授)が、ビパッサナー瞑想などを基にマインドフルネスストレス低減法というプログラムを開発したのが、現在の広がりのきっかけとなった。フェイスブックやナイキ、インテルといった世界的企業も社員研修に取り入れている。


掲載記事のURL:https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201810/20181004_13048.html

マインドフルネス関連書籍は【コチラ】