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2018.07.05

編集部

タイからの便り いのちの危機を心の危機としない 〜洞窟に閉じ込められたサッカー少年たちからの学び〜 

編集部より「タイの少年たちの無事の生還を祈って」

去る6月23日に洞窟に入り行方不明になっていたサッカーチームの

少年たち12人とコーチ1人の13人が、7月2日に無事が確認されたニュースは、日本でも連日報道されています。

7月4日には元気な姿の映像が公開され、胸をなでおろしましたが、

それでもまだ洞窟から救助はされておらず、予断を許さない状況が続いています。

↓本日(7月5日の朝日新聞デジタル)

コチラ

 

そんな中、日本では報道されていませんが、

少年たちはヴィパッサナー瞑想で心を落ち着けて、洞窟の中での時間を過ごしているとの報道がタイでされていることを知りました。

タイ在住の浦崎雅代さま(タイ仏教通訳・翻訳)に現地の報道を交えて、レポートをいただきました。

どうぞご覧ください。

タイからの便り

   いのちの危機を心の危機としない
〜洞窟に閉じ込められたサッカー少年たちからの学び〜

 

日本からの一時帰国を終え
タイに戻ってきました浦崎雅代です。

タイ北部チェンライ県にある洞窟に
地元サッカーチーム「ムーパーアカデミー」の
少年12名とコーチ1名の13名が
約10日間閉じ込められ、
つい先日彼らが洞窟の中で発見された、という
ニュースがありました。

彼らが行方不明だという
ニュースは連日報道されていたので
発見された時には、
タイ国中が安堵の喜びに包まれました。

彼らの捜索には
国内・海外からの多くの支援がなされ
そうした方たちへの感謝の言葉が
あちこちから聞こえます。

まだ洞窟内の水位が下がらず
彼らが完全に外に出てくるまでには
かなりの時間がかりそうですが、まずは
真っ暗闇の中で13名全員が
大きな怪我や病気がなく無事に発見されたこと
本当に嬉しく思っています。

さて、タイの報道では
この子供達を率いている25歳のコーチ
エークさんについての報道が増えています。

彼は幼い頃に両親を失い
体の弱い祖母に育てられ、少年時代に8年間
沙弥(サーマネーン)として出家していたとのこと。

その8年間の出家期間中、彼は
ウィパッサナー瞑想を学び実践し
洞窟や森での修行を好んでやっていたそうです。

今回、この洞窟での危機の際にも
子供たちの身の安全に気を配るだけではなく
瞑想を共に実践して心を落ち着かせながら
救助を待っていたらしい、ということが
報道されて始めています。

10日間も昼も夜もわからない真っ暗闇の中にいたら、
誰もがパニックになりそうですが
エーク・コーチ自身が普段から心を鍛えていたこと、
子供たちからも信頼されていたこと
一緒に危機を乗り越えようと
心を静かに落ち着かせながらいたことが
奇跡的なこの救出劇の裏にあったのだと思います。

以下のサイトは、エーク・コーチが出家し
実質親代わりとなっていた
ランパーン県のお寺の住職さんにインタビューしたものです。

エークさんが村人から慕われ
とても優しさにあふれた人物であり
瞑想修行に熱心励まれたことが
住職さんの口から語られています。

1日も早く彼らが洞窟の外に出られますように
心静かに祈りを捧げようと思います。

以下は、おまけですが
これまたタイらしい風景ということで
おそらく日本のニュースには出ないであろうシーンを
お届けします。

タイのプラユット首相が、
まだ少年たちが行方不明の真っ最中に
彼らの家族を励ましに訪れた時の一コマです。

最初は別の話をしていたようですが
「心を落ち着けるために、一緒に瞑想しよう!」と呼びかけ、
プラユット首相がいつもやっているという
瞑想のやり方で(息を4つ吸って、6つ止めて、8つで吐く)
家族たちと静かな時間を共にしたのだそうです。

心配は生じてくるけれど
心配に飲み込まれずに、
今ここにしっかりいることに努めよう。

そんな気持ちが
タイの皆さんの心のベースとなっているのを感じます。

いのちの危機をどう
心の危機とせずにいられるか。

彼らからの学びを
私も今ここで大切にしたいと思っています。

 

サンガ編集部より

生きとし生けるものが幸せでありますように。

 

浦崎雅代さんの執筆している有料ブログ「note」内でも

今回の出来事に触れられているようです。

(2018年8月5日まで無料でご覧いただけます)

「カンポンさんの説法「目覚めて、知る」(34):計り知れない、修行のメリット」

コチラからご覧ください。

 

浦崎雅代さん翻訳最新作『いのちの最後の授業』

『いのちの最後の授業』