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2017.12.14

編集部

重版出来!『仏教と科学が発見した「幸せの法則」』人気の秘密とは?

熱気あふれる慶應大学での公開講座

アルボムッレ・スマナサーラ長老(初期仏教長老)と前野隆司先生(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)の対談書『仏教と科学が発見した「幸せの法則」』が増刷しました。

発売から1カ月もしないうちに増刷になるのは、本当に嬉しいことです。どうもありがとうございます!

仏教と科学が発見した「幸せの法則 」
「心」と「私」のメカニズムを解き明かす
アルボムッレ・スマナサーラ/前野隆司

 

この対談は2017年1月に、2日間にわたって実施された対談をまとめたものですが、その1日目は、前野隆司先生が所属する慶應SDMヒューマンラボ公開講座の公開講座として実施されました。

そのとき、私は司会を担当していたのですが、対談が展開するにつれて、会場のみなさんの表情がいきいきと変化していくのがとても印象的でした。本書には、当日の会場でのQ&Aも収録してありますし、会場の一体化した雰囲気も、本書に染み込んでいるような気がします。

 

2017年1月18日開催の慶應SDMヒューマンラボ公開講座。200人の方々がご参加くださり、満員御礼でした。

 

「奇跡の対談」と呼ばれる理由とは?

サンガでは、スマナサーラ長老の対談書をいくつも刊行しているですが、この対談が終わった直後、サンガの愛読者の方々から、感想がぞくぞくと届きました。

「今回の前野先生との対談は、今までのスマナサーラ長老の対談の中で、一番おもしろかったです!」
「スマナサーラ長老の仏教の話は、やっぱり『科学』の分野とぴったり合いますね!」

そのような熱烈な感想ばかりで、とても驚いたことを覚えています。
まさに、仏教と科学、「奇跡の対談」です!
しかし、もちろんそれは「奇跡」ではなく、ちゃんとした理由があるのでしょう。

なぜこの対談は、これほどまでに好評だったのでしょうか?

 

仏教と科学、奇跡の対談 !?

 

 

前野先生の研究遍歴は、まさに「仏教」だった!

前野先生は、もともとカメラやロボットの技術者でした。その根底には、技術の発展によって人々を幸福にしたいという大きな目的があったといいます。そして、ロボット工学を研究する中で、「ロボットに心を持たせることはできるのか?」という関心から、人間の脳や意識についても追究するようになりました。

研究対象が「人間」に移っていくなかで、ロボットの開発によって人を幸せにするよりは、「人間はどうすれば幸福になれるのか?」ということをダイレクトに研究したほうがよいと考え、現在は「幸福学」という新しい学問の第一人者として活躍しています。

この前野先生の研究遍歴を見ると、なにか思い当たることはありませんか?

ロボットの機能を精密に観察するようなクールな視点から、人間の「心」を科学的に研究し、そして「幸福とは何か」を分析しながら、誰もが幸せになる方法を見出し、提案していく。

そうです。仏教がめざす実践と、どこか重なるような気がするのです。

仏教書の愛読者の方々が本書に魅力を感じる理由の一つには、このような前野先生の「仏教的研究遍歴(!)」が根底にあるのではないかと思っています。

 

前野隆司先生

 

「私」は幻覚である。「自由意志」は幻想である。

前野先生は、人間の自由意志について考える際に、「受動意識仮説」の立場をとっています。私たちは「意識」が先にあって「自由意志」によって様々な行動をしていると思っていますが、実はそうではなく、「無意識」の動きのほうが先で、「意識」は無意識が行なった行動を、後から眺めているに過ぎない、というものです。

そして私たちは、本当はロボットのようなものだけれども、無意識の行動の結果を総合して受け取って「私はいま喋っています」というドラマを作っている。そのことを「エピソード」として記憶するために意識があるのだ、というのが前野先生の理論です。

このように人間の意識をありのままに見つめる点は、仏教が「私」という現象を観察する視点と同じです。スマナサーラ長老も、私たちの体はたくさんの細胞が集まりたくさんのシステムを組み立て、ちょっとしたドラマを作っているということをおっしゃります。
そこで重要なのは、そのドラマは「幻覚」である、ということです。

しかし、私たちはその「幻覚」を「実体」だと思ってしまうことから、さまざまな問題を生み出してしまうのです。

であるならば、「私」は幻覚である、「自由意志」は幻想である、と発見したほうが、楽に生きられると思いませんか?

――本書では、幸福に生きるため方法を、「2500年前の仏教の智慧」と「最新の幸福学の知見」から掘り下げ、議論しています。

 

アルボムッレ・スマナサーラ長老

前野隆司先生の「仏教への旅」がはじまった!

今回のスマナサーラ長老との対談を契機に、前野先生はご自身の研究と仏教思想の親和性をあらためて感じられており、さらに仏教への探究心が高まっています。

前野先生の受動意識仮説や幸福学などの幅広い研究は、仏教との出会いによってさらに展開していくでしょう。
サンガ編集部では、これからも前野先生の「仏教への旅」を追い続けて、その足跡を、いつか皆さんにお届けできればと思っています。

(編集部 佐藤由樹)

 

2017年1月18日に開催された慶應SDMヒューマンラボ公開講座の様子はこちらからご視聴いただけます。

2017年1月18日に開催されたスマナサーラ長老×前野隆司先生の対談の前半です。この動画の続きを視聴希望の方は、こちらからメールアドレスをご登録ください。

 

仏教と科学が発見した「幸せの法則 」
「心」と「私」のメカニズムを解き明かす
アルボムッレ・スマナサーラ/前野隆司