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2017.08.10

社長ブログ

鎌倉03

その日の鎌倉は

快晴で、蒸し暑いぐらいだった。久しぶりの江ノ電は、そのままディズニーランドに持っていっても使えそうなぐらい、カラフルなデザインになっていた。

この一行を村上春樹風と社員に言われて、僕はいきなり書けなくなっている。でも他人のせいにしてはいけない。鎌倉03を終わらせないと、「お前はまだダンマを知らない」を始められない。

江ノ電の中では、アジア系の7~8人のグループが、大声でポルトガル語(多分・・あとで川島がそう言っていた)を喋っていた。そのリーダー格が、必死に虫を殺そうとしていた。

僕は「頼む逃げてくれ!」と心の中で念じていた。人は何のためらいもなく、生命を奪うことがある。

 

一法庵で

結局、虫は無事に逃げていった。江ノ電は僕らを乗せてゆっくりと走り続け、稲村ケ崎の駅に着いた。

山下良道さんの「一法庵」は、歩いてすぐの海のそばにある。

鎌倉の海は男性的だ。広い海岸線に人工的な匂いがなく、自然なたたずまいを見せている。

以前、小池龍之介さんに会ったのもここだし、藤田一照さんともやっぱりここで会った。

 

良道さんは、いつものように暖かく僕たちを迎えてくれた。

彼は昔からものごとを熱く語る人物だが、この日もやはり、挨拶もそこそこに話が始まった。

陽性の表情を浮かべた彼の口元から、よどみなく言葉が溢れ出してくる。

ミャンマーでの修業時代。日本に帰ってから今に至るまで。ミャンマーの修行僧や修行のスタイル。彼の中の心境の変化。彼にとっての仏教とは、そして悟りとは。

彼の言葉を聞きながら、もし僕が出家していたら、もしくはこれから出家したら、なんてことが頭をよぎっていた。

同時に、やはり僧は僧で、俗は俗なんだとも思った。ブッダがなぜ、そしてティク・ナット・ハンがなぜサンガの重要性を説いたのかが、何となくわかったような気がした。

 

良道さんは最後に、「島影さんと会ってちょうど20年になる。今度の本は、その記念碑的なものにしましょう」と言ってくれた。

その言葉に、僕は100%賛同した。僕たちは同じ仏教徒だが、それぞれの仕事があるのだ。

一法庵を出ると、青空が広がっていた。そこに佐々井秀嶺師の本拠・ナグプールの空のように、大きな五色の仏旗がはためいていればいいのにと思った。

帰り道、一匹の蟹が道端にいた。この蟹も僕たちも、山下さんも、小池さんも、藤田さんも、同じ巨大な仏旗の下にいるのかもしれない。