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三部作の第2弾刊行記念!スナンダさんがトップバッターの刊行記念セミナー開催~『テーラワーダ仏教ハンドブック2ブッダの教え 上級レベル』刊行記念

ヤンゴンのシュエダゴンパゴダで静かに瞑想する人々
ミャンマーといえばテーラワーダ仏教の国です。
それは王朝時代から植民地時代、独立後の軍政期そして、今の民主政権でも一貫しています。
国の体制は変われど、仏教はかわらず。そんな感じです。
『サンガジャパンVol.36ヴィパッサナー瞑想』の扉にも書きましたが、ミャンマーの仏教は英国による統治下で、ミャンマーのアイデンティティの復興として、レーディ・サヤドーがその端緒を開きました。僧院内だけで伝えられていた瞑想法を在家の人々に伝え、アビダンマの知識をわかりやすくして市井の人々に広めていきました。
そのためにミャンマー中を巡ったと言います。
改めて意識することもなかったのかもしれないですが、「魂を思い出せ」という感じだったのでしょうか。ちょうど時代的には日本では明治のころですから、廃仏毀釈するかわりに仏教の復興だったともいえ、うらやましいです。
そういうわけで、ミャンマーは今も昔も国を挙げての仏教国なのですね。(少数民族との問題やロヒンギャ問題などありますが、今は置いておきます。)

歴代僧院長の肖像画。左端がレーディ・セヤドー

僧院で修行する僧

僧院の境内
波羅蜜が中心のミャンマー文化
仏教国ミャンマーが育んできた仏教文化があります。三宝への帰依はもちろんですが、一時出家や、戒を守った生き方、お布施など。それらは波羅蜜を積んで現世での徳を蓄え、今生では難しくとも、来世では解脱できるようにという価値観です。
もちろん今生で解脱できればいいのでしょうが、なかなか条件がそろわないと、難しいと言うことのようです。また出家修行しなければだめかというとそういことでもなく、スンルン・サヤドーは在家の時にほぼほぼ悟って、在家生活が成り立たなくなって出家して解脱したとウィジャナンダ―・サヤドーは以前おっしゃっていました。
日本で日本文化と仏教が習合して日本仏教となって営まれているように、ミャンマー仏教もミャンマー文化と習合しているでしょうが、パーリ聖典から離れていないことを考えると、ミャンマー文化はテーラワーダ仏教文化の一つの参考になるでしょう。
軍事政権下では渡航も制限されて、なかなか足を踏み入れられなかった地ですが、2011年のテインセイン政権の時代から徐々に情勢も変わり、民政移管が進み、アウンサンスーチー政権下でその文化に深くコミットできるようになりました。

マンダレーの街中で売られているお布施セット

古都バガンの仏塔群

仏塔の中で燦然と輝くお釈迦様
三巻そろって仏教ライフの完成
第2巻を読んでいただくとわかるのですが、家族の倫理を説くところがあったり、道徳の教科書のようでもありますが、道徳の足元には宗教が必要というのは梅原猛先生もおっしゃっていました。梅原先生は仏教の十善戒を、道徳の本の中で説かれていましたが、テーラワーダ仏教徒が基本とすべき戒をこの第2巻では詳説しています。ぜひご参考ください。
表紙の色が同じで、1巻目と2巻目の違いが分かりにくいという意見を聞きますが、ミャンマーのダンマの本は装丁が同じなので、割とそこは意識しました。マハーシ長老の本はほとんど同じですね。
また、3冊セットで辞書的な使い方をしてもらいたいので、揃えたときの統一感もポイントです。
ダンマとはどこを切っても同じ味がするものでしょう。ぜひ奥行きの深い、ダンマを味わってください。(編集 川島)
刊行記念セミナー
申し込みは【コチラ】
さて、『テーラワーダ仏教ハンドブック2 ブッダの教え 上級レベル』刊行記念セミナーの開催です。
四回シリーズの第1回はミャンマーでの出家修行をしていまは京都大学東南アジア地域研究所連携講師の川本佳苗(スナンダ)さん。サンガではウェブ連載の「ぶぶ漬けどうどすか?」で人気です。
川本さんの中心テーマの一つであるジェンダー問題を、ミャンマー、テーラワーダ仏教を軸に語っていただきます。ネタをいっぱいお持ちなので、どんなお話になるか楽しみです。
〔第1回〕2020年12月5日(土曜日)15時〜17時
◎川本佳苗
「仏教におけるジェンダー問題~女性は悟れないって誰がゆわはったん?」
皆さん、こんにちは! えっと私がセミナーのトップバッターでかつ唯一の女性講演者ということで、やっぱり責任を感じています。だってサンガの著書って女性読者もすごく多いじゃないですか?なのに著者は圧倒的に男性が多いですからね。だから、仏教における女性の立場と、現代課題の一つであるLGBTQについてお話ししようと思います。ぶいぶいゆわしますのでご期待下さい!(川本佳苗)
サンガジャパンオンラインでも川本佳苗さんのコラムを掲載しています。