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2020.12.04

イベント紹介 コラム 編集部

「マインドフルネスの脳科学」身心変容技法オンラインセミナー第5回と藤野正寛さんのこと

「マインドフルネスの脳科学」身心変容技法オンラインセミナー第5回と藤野正寛さんのこと

藤野正寛さんは活躍目覚ましい。まるで出世魚だ。名前が変わったわけではないが、肩書はこの数年で変わった。いまは京都大学特定助教。

最初に会ったのは京都大学で行われた身心変容技法研究会だった。2015年10月だった。その時は藤野さんは京都大学に学部から入り直して、大学院生として研究をしていた。

 

このときの研究会は田口ランディさんが登壇の会で、オウム真理教がテーマだった。研究会はいつも二人の登壇者が研究発表をするのだが、もう一人の登壇者はサンガジャパンにも登場していただいたことのある宗教学者の太田俊寛さんだった。

 

ランディさんの発表はオウムと第二次大戦中の日本陸軍とを連関させるもので、細部は忘れてしまったが、とても刺激的だった印象が残っている。というような講演を会場となった教室の後ろの方で聞いているときに、私の目を引く人物がいる。「ん?」

全く個人的な話で申し訳ないのだが、私には彼と名前が2文字違い(それは後でわかったことなのだが)の友人がおり、また風貌というか風体というか、背格好というか、身なりというかがとってもよく似ているのだ。なので「あれ、なんかあそこだけ時空が違っている。けど見慣れた時空だ。」と、私の気をいやでも引いてしまうのだ。

私の友人某は、昔はやった言葉で言うとレイブトラベラー、つまり世界中の野外パーティを巡り歩いている遊びファーストの人なのだが、藤野さんはもちろん違う、かどうかはよく知らないのだが、私の友人某とはちがって実にしっかりしている。理性的で知的で背筋がシュッと伸びている。

つまり私の藤野さんの第一印象は、「全然この世界に真正面からコミットしているのではないか! かつこの気配で。スゲ。」なのだ。

(友人某の名誉のために言うと、奴はとってもいい奴で、ハートはめちゃくちゃ温かい。が、ちょっとこの世界からはリタイアメントしてしまった。)

 

会の終わり、ざっくばらんな場になったとき、声をかけて聞いてみれば、瞑想状態の脳をfMRIで計測する研究をしているとのこと。なんと面白い!

そのあとの打ち上げではアマゾンでのシャーマニズム修行の体験の話など、とても面白く、初めて聞くことも多く教えてもらった。

 

今回のセミナーでは、瞑想の脳科学の歴史的な文脈をお話しいただけるらしい。60年代のカウンターカルチャーを抜きには語れないその歴史は、実は今に直結したものではないかしら、と思うのでとても楽しみ。出世魚というといかにも下世話だが、変容と言い換えれば、それは藤野さんらしいかもしれない。乞うご期待!

(編集・川島)

 

第4回 稲葉俊郎先生「医療と身心変容技法について」

申し込みは【コチラ】

第5回 藤野正寛先生「マインドフルネスの脳科学」

12月10日(木)19~21時

現在、世界的に大きな動きとなっている瞑想の脳研究。その種は、アメリカのカルチャーがしびれるほど面白かった1950〜70年代に蒔かれました。ビートジェネレーションがドラッグや禅によって意識変容と文化創造を試みる流れを作り出し、ハーバードサイケデリッククラブのティモシー・リアリーやラム・ダスがその流れを加速させ、さらにそのラム・ダスが「短期的で状態的な意識変容(Altered states of consciousness)」よりも「長期的で特性的な意識変容(Altered traits of consciousness)」を重視するようになって、瞑想に傾倒していった時代。その当時、彼らから直接的・間接的な影響を受けていた若者の中から、現在、瞑想の脳研究を主導している研究者たちが登場してきました。その中でも、リチャード・デビッドソンとダニエル・ゴールマンは、ハーバード大学時代に、ラム・ダスとの交流やヴィパッサナー瞑想との出会いを通じて、「瞑想実践によって生じる意識変容は、瞑想を実践していない日常生活でも持続しているはずだ」と実感し、そのことを明らかにするために粘り強く研究を続けてきました。その彼らが2017年に出版した本のタイトル、『Altered Traits』には様々な思いが込められていることを感じます。本講演では、このような瞑想の脳研究の歴史を眺めながら、瞑想によるAltered Traitsについてどこまでのことがわかってきたのかをご紹介した上で、長期的で特性的な意識変容の大切さについて考えてみたいと思います。

(藤野正寛)

 

サンガジャパンオンラインでも記事掲載中

「仏教科学と近代科学の出会い:一人称的はじまり(藤野正寛)」