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影山幸雄 
シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト~鹿島の地に灯る智慧の光~その①
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シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト

~鹿島の地に灯る智慧の光~

その①

ご挨拶

 はじめまして。このたびサンガ出版のご厚意により、茨城県鉾田市にあります日本上座仏教修道会、淨心庵精舎に建立予定のシーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔についての記事を連載することになりました。

 シェーダゴンパゴダはミャンマー、ヤンゴンにある世界的に有名な由緒ある仏塔です。新たな戒壇の設置に加えて本格的仏塔を建立するのはミャンマー国内でも滅多に見られない貴重な事業です。とりわけ日本の地にこうした仏塔が建立されるのは極めて稀なことであり、それに立ち会うことが出来るのは大変な幸運です。この連載ではシーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトのこれまでの活動と進捗状況をご報告、貴い取り組みを多くの方々に知っていただき、喜びをわかちあっていただければと思っています。

自己紹介

 私は埼玉県の病院に勤務する、現役の医師です。2004年から日本テーラワーダ仏教協会で仏教を学び始め、その後グリーンヒルWeb会での瞑想実践を経て、現在は日本上座仏教修道会に所属し、高名なバッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老の指導のもとで、研鑽を続けています。

 また、ご縁がありサンガ出版の書籍をいくつか翻訳させていただきました。現在は瞑想修行の傍ら、在日ミャンマー人向けに行われた大長老のミャンマー語での説法を日本語に翻訳したり、瞑想会で瞑想者のお世話をしたり、淨心庵での作務を行ったりと忙しい毎日を送っています。

上座仏教修道会について

 上座仏教修道会は故・竹田倫子先生のご尽力により1989年に発足しました。当初はスリランカよりスマナサーラ長老を招聘しその指導のもとで活動していましたが、1996年からはミャンマーの高僧バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老をお迎えして、東京都新宿と茨城県鹿島郡大洋村(現鉾田市)の淨心庵精舎において定期的に勉強会と瞑想会を開催、八正道(戒・定・慧)の実践につとめています。ニャーヌッタラ大長老は日本語が堪能で、日本語で指導を受けることができます。

春の淨心庵瞑想堂

上座仏教修道会ホームページhttp://jyouzabukkyo.jp/index.html

シーマー(戒壇)について

 「シーマー(sīmā)」はパーリの言葉で、日本語では「戒壇」(授具足戒の場)と訳されています。比丘サンガ(僧侶たち)が戒律の確認を行う特別な場所のことです。このシーマーでは比丘出家儀式、新月・満月の布薩日〈ウポサタの日)に戒清浄になるための戒律の儀式、「カティナ・シーワラ」という特別な衣の儀式など、戒律に関する儀式が行われる、無くてはならない神聖な場所です。

 この聖なる特別な場所であるシーマーは条件が揃わなければ存在することが出来ません。まず比丘サンガが集まり、比丘サンガによってシーマーの土地の場所、位置、領域が決められます。そしてカンマワーチャー(羯磨儀軌)と言う特別なお経を唱えることにより完全なシーマー(戒壇)として認められます。淨心庵のシーマーは1996年7月28日(日)、ミャンマーの高僧バッダンタ・ウ・ケサラ大長老とニャーヌッタラ大長老を含む8人の比丘サンガによって、淨心庵精舎から少し離れた場所に建築され、認定されました。認定後、その日に、日本在住のミャンマー人信者と日本人一人を合わせ38名の一時比丘出家儀式及び10日間宿泊瞑想修行が行われました。来日された比丘サンガは、ケサラ大長老をはじめ、マハーガンダーラーマ僧院からの大長老方、ミャンマー国立仏教大学長などミャンマーでは大変高名な方々です。

 残念ながらこのシーマー(戒壇)は2011年の大震災により付帯設備が被災し、倒壊の危険もあるため淨心庵に近い新たな場所にシーマー(戒壇)を作ることになりました。

仏塔について

 「仏塔」とは、仏舎利(お釈迦さまの遺骨)や、お釈迦さまに関係があるものを納める大切な場所です。日本の五重の塔も仏塔の一つの形であり、日本式のお墓の脇に立てる卒塔婆(仏塔を表すストゥーパの音訳)も仏塔をかたどったものです。

 シェーダゴンパゴダはお釈迦さまご在世の時に遡る歴史的な仏塔です。お釈迦さまが覚りを開かれてから間もなく、ミャンマーから来た商人の兄弟がお釈迦さまに出会い、お釈迦さまとお釈迦さまの説かれた法に帰依(当時はまだ比丘サンガが現れていなかったので三帰依ではなく二帰依と呼ばれています)、礼拝して、布施しました。お釈迦さまはご自身の髪の毛の一部を切ってこの兄弟に渡されました。兄弟はお釈迦さまから頂いた八つの髪の毛の束をミャンマーに持ち帰り、その一部はシェーダゴンパゴダに奉納されたと伝えられています。

ミャンマー、ヤンゴンにあるシェーダゴンパゴダ

シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト発足

 2017年3月、ニャーヌッタラ大長老の師であるケサラ大長老(ミャンマー比丘サンガの頂点に立つ高僧)が体調を崩されました。当会の吉田代表もお見舞いのためミャンマーに向かいました。幸いケサラ大長老の病状は回復しましたが、その際に元駐日ミャンマー大使、現国家顧問省副大臣ウ・キン・マウン・ティン閣下の代理として奥様とご子息が集まり、ニャーヌッタラ大長老を交えて淨心庵精舎のシーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立を実現するためのプロジェクトを立ち上げることが決まりました。お元気になられたケサラ大長老はプロジェクトに賛同され、ご自身がお持ちの仏舎利(お釈迦さまの遺骨)とサーリプッタ尊者の舎利の一部を吉田代表に託されました。その後ミャンマー国内で会議を重ねた後ニャーヌッタラ大長老と吉田代表は日本に戻られ、2017年4月15日、このプロジェクトが発足したことを会員に発表されました。その中で示されたスケジュールは以下の通りです。

マハーシ・サーサナ・ヴィマーナ瞑想センターに設置されている

シェーダゴンパゴダ形仏塔。今回のプロジェクトで建立される仏塔のモデル。

 

1)シーマー(戒壇)と仏塔を建立する土地を整備し、周辺の土地とともに平らにする。

2)ミャンマーから比丘サンガを招待してその場所(土地)をシーマー(戒壇)と認定する。

3)比丘サンガがシーマー(戒壇)と認定したその土地にシーマー(戒壇)建物と仏塔を建てる。

 

 2020年1月現在、1)と2)の計画は既に完了、シーマー(戒壇)、仏塔の設計まで進んでいます。シーマー(戒壇)の土地の上に、10.5 m× 19m二階建ての建物を建造し、一階は比丘サンガの居室、瞑想者宿泊施設、多目的ホールとなります。二階は瞑想堂で淨心庵仏像が安置され、その奥のスペースには、三宝を始めとした上座仏教に関する博物館が設けられます。屋上中央部にはミャンマー式シェーダゴンパゴダ形仏塔を安置、北側中央には日本式仏塔として三重の塔を安置する予定です。三重の塔の設置場所は仏像の真上にあたります。これは尊敬すべき仏像の上を人々が歩かないようにするためには三重の塔を設置するのがふさわしいだろうという大長老のお考えによるものです。この二つの仏塔は、ミャンマーと日本、両国の仏教友好交流を深め、両国の幸福と世界平和への礎として、日本の地にお釈迦さまの教えが広く永く存在するようにとの願いを込めて安置されます。今後建築業者からの見積もりを得て、着工する予定となっています。 

今回の建立計画では、静寂な森の中に荘厳な仏塔が安置されます。

この写真のようにミャンマーの森の中の仏塔のイメージです。

クラウドファンディングのお知らせ

 プロジェクトの実現に向けて国内外の心ある方々から既に多くの布施をいただいておりますが、東京オリンピック開催の影響で建築費が高騰しており、まだ十分とは言えない状況です。そこで資金面の強化のため2月末から約2か月の予定でクラウドファンディング(インターネットを介した支援募集)を立ちあげることになりました。詳細は下記のリンクをご覧ください。

シーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立

プロジェクト

クラウドファンディング申し込み先

https://readyfor.jp/projects/jpagoda

 

 また通常のお布施も受け付けております。

http://jyouzabukkyo.jp/sima/ofuse/

 

 お釈迦さまの教えが無くならないように、比丘サンガが栄えるように行う支援は大きな功徳になり、将来に渡って幸福をもたらすと信じられています。多くの方が滅多にないこの機会にプロジェクトにご参加いただき、得難い功徳を積んでいただきたいと思います。

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影山幸雄(かげやま・ゆきお)

1960年、栃木県生まれ。東京医科歯科大学卒。医師。翻訳家。

訳書にリック・ハンソン『脳を鍛えてブッダになる52の方法』、チャンミェ・サヤドー『気づきの瞑想実践ガイド』、ミャンマー連邦共和国宗教省『テーラワーダ仏教ハンドブック ブッダの教え 基礎レベル』(以上、サンガ)ほか。