社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)
『別冊サンジャパ4「死と輪廻」』、『サンジャパ29「苦【dukkha】」』、そして札幌
人生は苦しみの中
たとえば重要な約束の日に、
寝坊してしまって、すごく焦ってしまう。
もうパニックになってしまったりする。
しかし、ちゃんと寝坊せずに起きられたとしても、
何かしら問題がある。
いわば人生は問題の連続である。
また、たとえば突然、がんを宣告されると、
頭が真っ白になり、もう何もかにも手に付かなくなってしまう。
それこそ人生の一大事だ。
その瞬間から自分の人生は、
そのがんのことがすべてになってしまう。
でも、もし、それが夢だったりしたら、
もう幸せいっぱいの気持ちになっちゃったりもする。
みんなも、そんな経験があるのではないかと思う。
しかしながら、それらのことも実は夢まぼろしであり、
実際、僕たちはいつだって、焦ったり苦しんだりの連続である。
ことの大小に関わらず、人生はいつでもそんな苦しみの中にある。
それを突き詰めてみれば、
「苦しみをなくすこと」というのは、
つまりは「無常・苦・無我」を理解することなんだ。
「生きる」という状況は、実はすべて完璧なかたちで成り立っている。
なぜなら、「無常・苦・無我」という真理が、しっかりとそこにあるのだから。
そして、もう一つの真実は、
僕たちは「今、ここ」にしか生きられないということ。
ただ僕たちは、「自分」という小さな認識の中にいるから、
その真理を、ねじ曲げて理解してしまっている。
だから、そのねじ曲がった僕たちの認識が正しくなれば、
そこでもう、世界の現象は完璧になるのだ。
僕は「覚りを得たい」という気持ちでいるけれども、
覚りとは得るものではなく、引き算で成り立っている。
妄想概念をきちっと取り払っていくことが、
覚りへの道なのだと思う。
『別冊サンガジャパンvol.4』
『別冊サンガジャパンvol.4』では、
スマナサーラ長老のサンガくらぶでの特別講義
「涅槃(ニッバーナ)について」が、
日本テーワーダ仏教協会編集局長の佐藤哲朗さんによる
ダイジェスト版レポートとして掲載されている。
『ブッダの実践心理学』シリーズでも語られなかった
「涅槃」という難しいテーマを解説したものだが
すごく簡潔に分かりやすくまとまっているので、
(“あべこべ感覚”で読むと難しく感じてしまうかもしれないけど)
素直にきちっと読めばすごく明解に「涅槃」について理解できると思う。
『別冊サンガジャパンvol.4』では、
部分的にしか掲載できなかったけれど、
いずれ、その全体をまとめて、
スマナサーラ長老の著書として刊行するつもりだ。
『サンガジャパンvol.29』
『サンガジャパンvol.29』には、
直木賞作家であり、タイで出家した日本人比丘
笹倉明さん(プラ・アキラ・アマロー師)から
ご寄稿をいただいた。
笹倉さんとの縁は、
『河北新報』に載った笹倉さんの記事を
娘の由希が見つけて僕に教えてくれたのがきっかけだ。
そして、編集部の川島が原稿を依頼し、
今回の『サンガジャパン』の記事になった。
最初に『河北新報』の記事を読んだとき、
笹倉さんは直木賞作家で、
その後、ご訪泰し、
タイで出家したという話を読んで
すごく興味をそそられた。
なぜかというと、
少しでも「出家したい」と考えている日本人は分かると思うけど、
団塊世代の人が、リアルタイムの状況でこうして出家されている現実に
共感を覚えながら、自分を重ねてみたりするからだ。
今回の自叙伝的な寄稿文は、
とても素直に自身の告白を記しながら、
タイのリアルな修行経験を正確に描ききっていて、
笹倉さんの人間的な魅力も感じられ、
とても感心させられた。
今回は出家までのことであるが、
今後の展開がすごく楽しみである。
北海道で「生老病死」を巡る対談だ
僕の「今、ここ」は、北海道だ。
編集部の佐藤由樹と共に、書店まわりをしている。
明日は、スマナサーラ長老と
札幌市でがん統合医療をおこなっている小井戸一光医師が
生老病死をめぐって対談をする
小井戸さんはがん治療の専門医だが、
身体だけを診察するのではなく、
心の健康ということを重視していて、
スマナサーラ長老とも話が合い
これまで3回ほど、対談をしてきた。
明日は1年以上ぶりの再会の対談となる。
来年の早い時期に対談書として刊行したいと思う。
それもまた楽しみだ。
いやいや、今ここ、今ここ。