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2017.09.26

編集部

『天宮事経』刊行と「藤本晃フェア」

『天宮事経』刊行します

2017年9月に、藤本晃先生の新著『〔初期仏教経典解説〕天宮事経――天界往生の物語』を刊行します。

本書は、善いことをして天界に往生した人々が善行為を勧めるという、85の物語によって構成された、初期仏教経典の日本語訳と解説です。

「死んでは生まれ」の輪廻の繰り返しの中で、「生まれ変わるなら、天界に生まれ変わりたいなあ」

と考える方も多いのではないかと思います。

そこでまず、「天界とはどういうものか」を、天界に生まれ変わった天人たちから

お話をきいてみるのはいかがでしょうか?

本書はそんな、天界に往生した天人たちの物語を集めたものです。

 

また、この経典の姉妹編として、悪いことをして餓鬼道に堕ちた人々が、悪から離れることを勧める『餓鬼事経』という経典もあります。
こちらの経典も藤本晃先生の著書

『〔初期仏教経典解説〕餓鬼事経――死者たちの物語』

として、弊社から刊行しておりますので、よろしければ合わせてお読みになってみてください。

 

 

■「藤本晃フェア」開催のお知らせ

今回の『天宮事経』の刊行を記念しまして、サンガ通販サイトでは「藤本晃フェア」を行ないます。

 

藤本晃先生は、「日本の仏教を真の仏教へ変えてゆきたい」という強い信念を持ち続け、

『浄土真宗は仏教なのか?』、『日本仏教は仏教なのか?』(第二巻まで既刊/『サンガジャパン』にて連載中)など、初期仏教経典に依拠した、メッセージ性の強いご著書を刊行しています。

その藤本先生の力強いスタイルには、いくつか理由があります。

その一つとして、「明治時代の西洋式学問研究の方法が、仏教を骨抜きにしたのではないか」という、藤本先生の問題意識です。
例えばそれは、文献研究が座学としてだけ扱われ、修行や瞑想などの実践部門はまったく考慮されなかったことなどにあります。

そして重要なポイントとして、仏陀釈尊へ敬意を持つこと、修行と悟りを実践として理解すること、輪廻を信じること――藤本先生は、これらの点を大切に扱われています。

しかしこれらのポイントは、仏教を研究対象として机上で分析するだけでは、抜け落ちてしまいがちなものです。
今、上座仏教が生き生きとしたかたちで日本にも到来しており、日本の仏教との違いが、実践レベルでも明確になってきています。

藤本先生は、日本の仏教が上座仏教から学び、変革していくことに期待を寄せています。

日本人が「真理としての仏教」にたどり着くために、藤本晃先生の挑戦はまだまだ続きます。

 

そんな藤本先生から、読者のみなさんへのメッセージをいただきました。どうぞお読みになってください!

(サンガ編集部 佐藤由樹)

 

■藤本晃先生からのメッセージ

 

真理を知りたかった子供

藤本 晃

 

真理とは何か? 知りたくありませんか。

自分のおこないは棚に上げて、私は子供の頃から真理を探していました、何が真理かも分からないまま。

宇宙というか世界の果てが知りたかった。孫悟空みたいですね。

過去の文明のことが知りたかった、なぜ滅びたのかも含めて。

死ぬ時どうなるのか、死んだらどうなるのか、知りたかった。地獄や天国が本当にあるのか知りたかった。

死後の世界がもしあるとしたら、生き方をもう少し道徳的にしないとやばいなあと計算高く思っていました。

悟りとは何か、悟ったらどうなるのか、知りたかった。

探し求めていた真理は、お釈迦様の教えにすべてありました。スマナサーラ先生の解説によって、はじめて、そこに真理があることに気づきました。

もう真理探しをする必要がなくなりました。あとは実践して真理を体得するだけです。

 

その中で、私のように遠回りしなくて済むように、いろいろ気づいたことを書き残しておきたくなりました。

もっと大きな問題にも気づきました。現代の仏教学界や一般読書界に今も根強く残る、仏教に対する様々な誤解を解かなければならないと感じるようになりました。

どうかお手に取ってみてください。唯我独善な文章が鼻につくかもしれませんが、どの本も、内容だけはどうか頭の隅に入れておいてください。みなさまの学びや実践にも何かお役に立つのではないかと思います。