社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)
ダース・ベイダー ――南直哉、あらわる。
『宮崎哲弥 仏教教理問答』でのワンシーン
なぜ南直哉さんがダース・ベイダーかというと
『宮崎哲弥 仏教教理問答』での
宮崎哲弥さんと南直哉さんの対談の中に、その話題が出てくる。
「ダース・ベイダーは私だ」という小見出しでの会話だ。引用しよう。
宮崎:話柄をガラッと変えるけど、髙村薫氏の『太陽を曳く馬』は読まれました?
南:読みました。
宮崎:今日はどうしても訊かなきゃと思っていたんだけど、南さんはあの小説の複数の登場人物のモデルじゃないんですか。少なくともインフォーマントというか、協力者でしょう。
南:もうね、みんなに言われてんの。『新リア王』(髙村薫著 新潮社、二〇〇五)あたりから、「お前が情報を流してるんだろう」って。驚いたのなんのって。「黒衣のダース・ベイダー」ってね、僕の永平寺でのあだ名なんですよ。しかも、『太陽を曳く馬』での「問い」について仏教を語る場面。
(宮崎哲弥[著]『宮崎哲弥 仏教教理問答――連続対論 今、語るべき仏教』「問答四 南直哉 不死の門をいかに開くか」サンガ文庫、191ページ)
僕が南直哉さんに初めて出会ったのは、
今から10年ちょっとぐらい前だ。
東京駅の近くにあった八重洲富士屋ホテルに由樹と二人で行って、
書籍の企画を提案するために、そこで会ったのが始まりだった。
そのとき僕は、
南さんの身体の大きさと革靴の大きさに、
思わず目を留めてしまったのを憶えている。
講談師のような流暢な話術
それから南直哉さんとは、長い付き合いになっている。
南さんの特徴は、なんといっても、
その話の流暢さにあると思う。
前に「サンガくらぶ」に出てもらったときなんかは、
扇子を片手に持って、流れるように話をしていた。
それはまるで、講談を聞いているみたいだった。
南さんのもう一つの魅力は、
その豪快な笑いにある。
ダース・ベイダーが笑うのを見たことはないけど、
南さんは、よく豪快に笑う。
そして、南さんの悩んでいる人に対する思いやりは、
尋常ではないと思う。
まあ、お坊さんだから当然といえば当然かもしれないが、
日本には今、何人そういうお坊さんがいるだろうか。
南さんは、
わざわざ悩んでいる人のところまで行って、
相談を受けている。
南さん自身、
少年時代に出会った、
「存在」に対する疑問がある。
また、「諸行無常」という言葉に出会って、
仏教に人生を賭けている。
南さんは僕とは同じ年なので、
「自分がもし当時日本で出家していたら、
こういうふうになったのだろうか」
と考えたりもする。
スマナサーラ長老、そして、為末大さんとの対談
南直哉さんとは、スマナサーラ長老との対談本を
2009年に出版した。
もう完売してしまったが、
『出家の覚悟』というタイトルの本だ。
その次には、いま話題のNHK大河ドラマ
『いだてん~東京オリムピック噺~』の
紹介番組に先日出ていた、
為末大さんとの対談本を企画した。
これは五十嵐が、
「為末さんの愛読書は南直哉さんの著書だ」
という情報を察知し、企画したものだ。
南直哉さんは恐山の院代だ。
僕は恐山に行ったことがなかったので、
「一回、行ってみたいな」と、つねづね思っていたが
この取材で、初めて恐山に行った。
為末さんと、為末さんの奥さん、編集部の川島、
カメラマン渡邊さん、ライター岩崎さん、そして僕。
総勢6人が2台の車に分乗し、
東京から恐山へ、車で向かったのだ。
いざ、恐山へ!
恐山は多少、整備されすぎていると思うが、
日本のお寺としては、すごく変わったところだ。
境内に入ると、
掘っ立て小屋のような建物が2つあるのだが、
なんとそこがお風呂になっている。
そのお湯は真っ白であり、
いかにも身体に効きそうな感じだ。
それと境内には、
比較的大きな建物があり、
水子供養の人形などがたくさん置いてある。
境内の上手にある湖、そして、風車と並んで、
これはやっぱり、恐山の真骨頂だと思う。
僕らはそこで一泊し、2日間、取材をした。
そうして作ったのが、『禅とハードル』である。
内容は多岐にわたる。
来年は東京オリンピックなので、
スポーツと禅のかかわりも深まっている。
興味がある人はぜひ読んで欲しい。
1/15「サンガくらぶ」に南直哉さん登場
そして今回、サンガくらぶに、
また南直哉さんを呼ぶことになった。
タイトルは、「倫理―理性と信仰―」。
『サンガジャパンVol.31』の刊行記念講演会である。
今回のサンガくらぶは書籍化の予定も、
映像化の予定もないから、
南さんのファンや、
南さんの講演をまだ聴いたことがない人は、
ぜひ来てみてほしい。
「トロッコ問題」についても南さんに質問する予定だ。
僕も、南さんに久しぶりに会うのが楽しみだ。