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2019.06.28

社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)

ネルケ無方という人のこと

はじめて安泰寺を尋ねた日

ネルケさんは、はじめから他人とは思えない人だった。

はじめてネルケさんを知ったのは、
たぶん安泰寺の住職になったばかりの頃だと思う。

ネルケさんの新書
『迷える者の禅修業』という新潮新書が
けっこう売れていたので、
サンガ新書でも書いてもらおうと考えて、
オファーしたのがきっかけだった。

それで、僕と川島と五十嵐で
安泰寺に行ってみた。

僕も坐るのは大好きだけど、
ネルケさんも負けないぐらい坐る人だ。

いや、もしかすると、
僕より坐るかもしれない。

只管打坐とヴィパッサナー瞑想

そのときはちょうど接心の時期で、
一緒に僕たちも坐ったのだが、
曹洞宗系の安泰寺は基本、只管打坐で、
ヴィパッサナー瞑想とは坐り方が違う。

ヴィパッサナー瞑想は、
いわゆる只管打坐のサマタ瞑想とは全く違うかというと、
そうでもない。

ヴィパッサナー瞑想も、
その導入部分でサマタ瞑想を使う。
それを「サマタ・ヴィパッサナー」と言う。

サマタ瞑想は集中瞑想なので、
外界からの情報を一切遮断し、
雑念・妄念もいっさい振り払う瞑想なので、
時には窓ガラスに黒い幕を張って
真っ暗にして集中できるようにしたりもする。

スマナサーラ長老とも話したことがあるのだが、
サマタ瞑想は、一点集中し続けて、
その一点集中が破れるときがある。
これが只管打坐でいう「見性」ということなんだろう。

この只管打坐も、なかなかどうして、大変な坐禅ではある。
僕も安泰寺に行ったときは、
そのサマタ瞑想をして、
けっこうきつかったのを憶えている。

そんなこんなで、
サンガ新書『裸の坊様』が生まれた。

ネルケさんとの長い付き合い

その後も、ネルケさんが
新宿の朝日カルチャーセンターで講義をもっていたので、
たまに会食したりした。

次女の素子がドイツに留学するときも
ネルケさんにいろいろアドバイスをもらった。
そのときネルケさんはいつもの熱い口調で、
ドイツの教育環境や
自然環境などを語ってくれたのを憶えている。

ドイツでは、
タヌキが高速道路で車にひかれないように
わざわざ狸道を高架で作ったりしているらしい。

それから東京の僕のマンションに、
二回ほどネルケさんを招待したりもした。

「法友」というものがあるとすれば、
たぶん僕とネルケさんはそういう関係なんだと思う。

たとえ言葉をつかわなくても、
なんだか見ているだけで、笑えてくるような気がする。

『サンガジャパン33』にネルケ無方さんが登場する

ネルケさんは安泰寺の住職を
今年いっぱいで辞めるというので、
『サンガジャパン33』の
人間関係の特集に登場してもらうことになった。

先日、五十嵐が
スカイプでネルケさんにインタビューしていた。
横で聞いていた僕は、そこに割って入り、
久しぶりにネルケさんと話をした。

ネルケさんは、まさに大乗仏教の人で、
テーラワーダ仏教が覚りを目指す仏教に対して、
ネルケさんは観音菩薩をめざす仏教の人である。

求めるところが違っても、
仏道を歩いているという点では、
まったく同じだと思うし、
彼の鷹揚な性格が僕は好きだ。

ネルケさんは、
奥さんが外国に住みたいと言っているのに対しても、
自分は日本が好きだから、日本にいるという。

安泰寺の住職を辞めても大阪に住み、
月に10回ぐらいは講義を持って、
修行を続けるらしい。

安泰寺の住職という重責を離れて、
彼はもっと修行に専念するのだろう。

また会える日が楽しみだ。