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2017.09.28

編集部

求道者・佐々井秀嶺師に魅せられて

「佐々井秀嶺師に魅せられて」小林三旅

今回は、フジテレビ深夜のドキュメンタリー番組「NONFIX男一代菩薩道~インド仏教の頂点に立つ男~

をディレクターとして担当した、映像作家・小林三旅さんからの寄稿です。

小林さんは、佐々井師の番組撮影以降、年に3~4回インドを訪問し、訪印歴は30回以上。

佐々井師の記録をライフワークに掲げる、ジャーナリストでもあります。

佐々井師を最も知る男・小林三旅による最新インドレポート、どうぞご覧ください。

 

9月28日大改修式始まる

小林三旅です。

佐々井秀嶺の取材のために、ナグプールに来ました。

9月の28, 29, 30日の3日間、インド仏教最大のイベント「大改宗記念式典」が開催されます。

私はナグプールでは、「バンテージ」(佐々井師の通称、ヒンディー語で「先生」の意)の居住する、インドラ寺に泊まらせてもらっています。

今日、目覚めると知らない男が枕元に座っていました。声をあげて飛び起きました。

「お前は誰だ!」
「わからない」
「なにしてるんだ!」
「なにもしていない」
「ここは私の部屋だ!」
「わかってる、私はなにもかもわかってる」

ついに私にも、バンテージが見た龍樹のような何かが出て来たのかと思いましたが、ジーパンをはいた小太りのおじさんだったので、すぐに追い出しました。

 

バンテージは改宗式の総監督、総責任者になっているので、この数日は準備や会議のためあちこち忙しく回っています。

9月22日に、今年就任したばかりの新大統領ゴヴィンド大統領が、アンベードカルのお舎利が納められている改宗記念ドームを参拝し、その案内と法要の導師をバンテージが務められました。

不可触民階級出身の大統領にとって、ここを参拝されるのは念願だったそうです。

インドの大統領は権限は大きくないですが、毎回、インド人に親しみをもたれるような苦労人、人格者が就任するのが特徴です。

その少し前には、モディ首相が改宗記念ドームを参拝されました。

この時もバンテージが導師をしました。その際、モディから「私はよく日本に行くんですよ」と話しかけられたそうです。

その直後、側近から

「マイノリティコミッションの仏教代表の選考に困ってる、もう一度やらないか?」

と声をかけられたとか。(うろ覚え)

バンテージ曰く、モディはただの右翼ではなく、一癖ありそうなやつだ(いい意味で)とおっしゃっていました。

モディも良い階層の出身ではないです。インドの将来を、政治家として大局的に見ているとこがあるのでしょう。

こんなふうに、相次いでインドのトップが参拝に来るのは、アンベードカルと仏教徒の存在が政治的、社会的に大きくなったからに間違いありません。

(小林三旅)

 

佐々井秀嶺師に関する最新情報は、

フェイスブックページ「佐々井秀嶺資料室」で更新しています。

 

『求道者―愛と憎しみのインド―』

 

今回レポートいただいた小林三旅さん編集協力の佐々井秀嶺師の著作『求道者』についてご紹介します。

本書は、「インド仏教一億人を率いて、インドを変えた男 佐々井秀嶺最後の、そして復活の言葉」です。

目次

第1章 差別の地――インドで仏教の地歩を築く

  • 不可触民の渦中へ
  • インドの人々とともに生きる仏僧として
  • 龍樹に導かれて
  • 1968年ナグプールに来たる
  • 1つのカーストに1つのお寺が
  • 毎日お勤めする読誦経典を編集する
  • 寺に来る出家希望者
  • 結婚式で稼ぐ坊主
  • 志ある人々
  • 信頼のおけるやつダンマボディ
  • 坊主から市長になったシーラナンダ
  • 次世代を担う仏教徒を育てる
  • 三人の沙弥

第2章 インドの宗教と政治に対峙する

  • 潜在する差別
  • 形式だけの政教分離
  • マイノリティコミュッションメンバーへの誘い
  • アンベードカルの意志を継ぐ行動とは
  • マヤワティ首相という人物
  • 盟友カンシ・ラムの謎の死
  • なぜ私がマイノリティコミュッションメンバーに指名されたのか
  • マイノリティコミュッションとしての私の目的――大菩薩寺奪還

第3章 龍樹菩薩の地を探して

  • 龍樹菩薩の地マンセル
  • 龍樹の伝説
  • マンセル遺跡の発掘
  • 侵略に対して人を守るアンベードカルの不殺生戒
  • インド仏教に関心を持たないダライ・ラマ十四世
  • 私に面会を求めてきたダライ・ラマ

第4章 インド民衆とともに生きる

  • インドの食生活
  • インド人は酒癖が悪い
  • インドで病気になる
  • インドで毒を盛られる
  • 断食で死にかける
  • 断食を完遂した私を祝福してくれた仏教徒たち
  • 「ジャイビーム」を発した瞬間
  • 私の説法術
  • 改宗式を始める
  • 仏教式の結婚式
  • 異教徒間の結婚
  • インドの虚無、死の観念
  • 煩悩強き女
  • 法華経の祈祷水

第5章 南天一乗の仏教を生きる

  • 「空」にも命がある
  • 命により成り立つ縁起の法
  • ブッダ入滅の年に至る
  • 私は、のたれ死にたいのです。
  • 2014年7月、病に倒れる
  • インドの悲しみ
  • インドは仏教国になる
  • 私の中には信念の鉄塔が入っている

 

インドへ渡って約50年、本書を刊行した2015年も、2017年現在も、佐々井師の熱き志は変わりません。

佐々井師に関心を持たれた方は是非、『求道者』ご一読ください。

(マーケティング部 五十嵐)