サラナ サラナ

 

じんくみ 
教育者のためのリトリート@フランス・プラムビレッジレポート
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自己紹介

こんにちは。私は普段高校で歴史の教員をしています。

3年ほど前にすぐに感情的になる生徒に、どのようにして自分の感情との付き合い方を教えることができるだろうかということを探している中で、プラムビレッジのプラクティスと出会いました。

最初は歩く瞑想や食べる瞑想の何が良いのかもわからないままリトリートでプラクティスをしていましたが、プラムビレッジのお坊さんたち尼さんたちの美しい振る舞いやあり方に心動かされ、

「自分が無条件で受け入れられている」ことにインパクトを受けて、

プラムビレッジのサンガの集まりに参加するようになりました。

一緒にリトリートに参加した方々との記念撮影。筆者(右端)。

 

それ以降定期的にサンガの集まりに参加し、

来日ツアーの際には去年・一昨年と

「教育者のためのマインドフルネス・デー」を開催してきました。

でも自分自身が「教育者のためのリトリート」に参加したことはありませんでしたが、

今回初めて参加してきた、そのレポートを紹介します。

 

教育者のためのリトリート@フランス・プラムビレッジレポート

12月28日から1月4日までフランスのプラムビレッジにて

教育者のためのリトリート「2018 Educator Retreat at Plum Village: Taking Care of the Future in the Present Moment」に参加してきました。

参加者は120名ほどでお坊さんたちが約40人という中でリトリートは開催されました。

(開催場所はUpper Hamletというお坊さんたちの住んでいるところなので、シスターたちはほとんどいません。)

到着する日、夜のプログラムはトータルリラクゼーション(深いくつろぎの瞑想)でした。

リトリートの初日はオリエンテーションであることが多いのですが、初日がいきなりトータルリラクゼーションだったのは、疲れた先生たちのためでしょうか?

プラムビレッジの1日を紹介します。

リトリート中のスケジュール表

朝は5:30起床、6時から座る瞑想が日課。

最初は静かに座り、途中で呼吸に帰るガイド瞑想が入る日や、自分自身の中の子ども(インナーチャイルド)や自分のお父さんやお母さんの中の傷ついた小さな子どもとつながるガイド瞑想などが入る日もありました。

呼吸を意識し、呼吸についていき、身体を意識し、自分の内側が穏やかになっていくことを感じます。

7時から食べる瞑想。

食べる瞑想前に、食事をよそっているところ。どれもおいしいです。

一口一口を鐘がなるまでの間沈黙で味わいます。一口一口ゆっくり噛み、じっくり味わい、身体の感覚を感じ、その食べ物がどこから来てどんなつながりの中にあるのかに思いを馳せます。

一枚のレタスの中にも、太陽があり、水があり、土があり、作ってくれた農家の方がいて、運んでくれた人がいて、心を込めて作ってくれた人がいます。食べる瞑想は深いインタービーイング(相互存在)の実践になります。私たちが私たちでないものからできていて、関りあいの中にあることを感じられる時間でした。20分ほどの沈黙でご飯をいただくと、いつもよりも味がよく感じられて落ち着いた気持ちになります。

 

8時からは働く瞑想。

トイレ掃除や食器洗い、野菜切りや食堂の掃除などのチームに分かれて作業をします。

プラムビレッジの中では様々なことはお坊さんたちも含めて自分たちで全部やります。

みんなで一緒に働くと、それだけで連帯感も生まれます。みんなが進んで働いてくれるから自分も気持ちよく働くことができますし、例え事情があって参加できない人がいても「いいよ」とみんなが理解してくれます。私はお皿洗いの係でしたが、みんなのためにと思って心を込めて食器の片づけをすると温かい気持ちになりました。

 

9時半から法話の時間。

ダルマ・ティーチャーが心の畑に栄養を与えてくれるような素敵なお話をしてくれます。「ここは『何もしない』をする場所ですよというのが、とても印象に残りました。他にもいくつか、心に残ったお話があるので紹介します。

「止まるということがとても大切です。次の世代にどんな世界に生きてほしいですか? もっと忙しくてもっと余裕のない世界? 機械の発達はどんどん人の余裕を奪っています。 未来にやさしくて平和な世界を受け渡すためには、止まる練習をする必要があります。」

「目の前にいる人にはそうなった歴史があり、背景があります。その人の背後にあるものを見ることができると相手に慈悲を持つことができます。相手も自分も固定されたものではありません。マインドフルであれば目の前にいる相手の一部ではなくもっと大きな絵を見ることができます。」

「小さなことの積み重ねがとても大切です。自分自身に小さな約束をしてそれを守っていけば、大きなことも実現できます。この道をあきらめないで続けていってください。大変な時でもあきらめないでください。コミュニティが助けてくれます。プラクティスを続けていれば、いつか水仙の花が咲いていきます。」

「あなたにとって先生であることの目的は何ですか? 何が人生に意味を与えてくれますか?朝あなたを起こしてくれるものは何ですか? コミットメントは造花ではありませんので、毎日毎日ちゃんと見つめてそのケアをする必要があります。自分自身の心に栄養をあげる必要があります。」

「自分の中に十分なスペースはありますか? 誰かを憎んで檻の中に入れたらそれは自分自身を閉じ込めていることになります。自分を苦しめているのは自分自身なのです。

だんだんと自分の心の檻の囚人を、一人一人解放していってあげてください。それがあなたを自由にするから。」

などなど、聞いていると心に滋養を与える素晴らしい話がたくさんありました。

 

11時半から歩く瞑想。

一歩一歩、呼吸を感じ、大地を感じながら歩きます。

前半の数日は霧の中、静けさと共に歩き、後半の数日は太陽が差してきてキラキラ光る世界を喜びを共に歩きました。歩くたびに葉っぱを踏みしめる音がして、大地をふみしめる感覚があります。静かにゆっくると、プラクティスを行う仲間たちと一緒に流れる川のように進んでいく歩く瞑想は身体を感じ、地球を感じる素敵な実践となりました。霧の中を歩くのもいいものだと思いましたが、太陽でキラキラと照らされた世界はどこを見ても美しく、自然と湧き上がる喜びを身体の中に感じました。

12時からは食べる瞑想。

お昼は食べ物を取ってから「食前の5つの祈り」をみんなで聞いてからご飯をいただきます。目の前の食べ物に感謝してマインドフルにいただきます。

 

14時からはトータルリラクゼーション(深いくつろぎの瞑想)。

身体の部分の一つ一つに意識を向けて力を抜いていきます。途中で眠りに落ちている人がほとんどでみんなが大好きな瞑想でもあります。ブラザーたちの歌ややさしい声、鐘の音を聞きながらそこに横たわっていると、身体も心も深く癒されていくことを感じます。

 

15時半からサークル・シェアリング。

ダルマ・シェアリングと呼ばれることもありますが、輪になって自分の心にあることを感じたまま「時には喜びを、時には苦しみを」語ります。聞く方は批判やアドバイスなしにただ深く聞く実践を行います。ただ相手の声に耳を傾け、相手の苦しみをやさしさをもって見つめます。自分の心のありのままのことを語ってくれた時、それがその人の苦しみの話であっても、いらだちや怒りを感じた話であっても、心からの話であれば「なんて美しいのだろう」と思います。涙ながらに語ってくれるその人の心からの気づきが、それを聞いている人にもエネルギーを与えてくれます。

17時からはエクササイズの時間。

体操をしたり、マラソンに行ったり、太極拳をしたり。私は近所の教会まで散歩に行ったこともありましたし、子どもと一緒にサッカーをして遊んだこともありました。身体を動かしてバランスを取ることも大事な実践の一つです。

18時から夕飯。

同じく食べる瞑想で、一口一口ゆっくり噛んで味わいます。

20時からの様々な催し。

5つのマインドフルネストレーニングをどう実践しているかを経験者に聞く会、先生たちが、学校の中や先生としてマインドフルネスをどうプラクティスしているか、という話を聞く会、チャンティングや大地にふれる瞑想を行う会などがありました。

参加者が2人組になって「みかんの瞑想」や「小石の瞑想」を相手に伝える練習をして振り返りをおこなう、というワークショップも行いました。お互いに伝えてもらうことでもらったギフトを共有したり、気づきを共有できたのはとても貴重な機会でした。自分が体験するだけでなく、伝える側に回る練習ができるのは教育者リトリートならでは!

 

夜はNoble Silence(聖なる沈黙)の時間です。

一日の体験をじっくりを味わい、自分自身に帰る時間です。本当に必要なこと以外は話さず静かに過ごします。静かにその日一日をふりかえる時間がプラクティスを深めてくれます。

 

これまで紹介したのは日常のプラクティスですが、大みそかには様々な出し物が行われるフェスティバルもありました。

Lord of the RingをもじったLord of the Thingという劇も行われ、普段は法話をしているダルマ・ティーチャーたちがかつらを被ってエルフやモンスターになりながら演じている姿はとても愉快でした。

「面白いということや楽しむってことはとても大事だよね。」

というのはプラムビレッジならでは。お坊さんたちのロックバンドもあり、ギターやベースを弾いて歌ってました。ここまで聞くととても忙しそうですが、プラムビレッジが大事にしているものにLazy Day(怠ける日)があります。その日は食べる以外「やらなきゃいけないこと」は何もありません。

「何もしない」を実践する日です。思い思いにゆっくり歩いたり、お茶を飲んだり、おしゃべりをしたり、ただただくつろいで時間を過ごします。Lazy Dayという名前にしない方が良いのではないかというお弟子さんもいたようですが、タイ(ティック・ナット・ハン師)が絶対に譲らなかったということでした。何もしない練習をするということが実践者としてとても大切だ、ということでした。私たちもお茶を飲んで日本人ブラザーにお味噌汁を飲ませてもらい、おしゃべりをして心からくつろぐ時間をもちました。

最終日の夜にはBe inと言って、共にいたことを喜び、感謝をシェアしてコメントをしたり出し物をしたりするイベントもありました。

様々なグループが歌や出し物をしたり、詩を読んだり、感謝の言葉をブラザー・シスターたちや参加者に伝えていました。日本人参加者は3人だったのですが私たちは「ふるさと」を歌いました、参加者のみんなも一緒になってゆらゆら揺れて聞いてくれてじんわりとした空気が広がり「美しい歌を本当にありがとう」という言葉をもらいました。感謝をすること、されることが人を幸せな気持ちにしてくれるなぁ、と実感した時間でした。

今回の「教育者のためのリトリート」は、学校教員である私にとっては特別なリトリートでした。

それが、先生たちの話を聞くことができたり、ワークショップに参加できたりとういこともありましたが、それ以上に

「平和で優しい世界を次の世代のために作りたい。彼らが幸せな人生を送る手伝いをしたい。」

という自分の願いが、プラムビレッジのブラザー・シスターたちの願いとつながっていることを実感できたことで心の庭に恵みの雨が与えられたと思います。自分が学校で生徒の前に立っていても一人ではなく、私の後ろにはブラザー・シスターやサンガの仲間たちがいるのだと感じられた時間でした。

「ありのままのあなたでいい。そのままで十分美しい。あなたの存在が条件なしで素晴らしい。自分自身にオッケーと言って大丈夫。」

プラムビレッジから教わった大切なことを私もまた改めて自分の生徒たちに伝えていきたいと心から思えるリトリートとなりました。みなさんにもぜひ一度、プラムヴィレッジへお越しください。

リトリートの行われたアッパーハムレット(Upper Hamlet)

 

「2019年4月末からは「教育者のためのマインドフルネス・デー」を含めたプラムビレッジ僧侶団来日ツアーがありますので、興味を持った方はまずはそちらにぜひ〜」

 

※プラムビレッジのプラクティスについてもっと知りたい方は、

「ティク・ナット・ハン マインドフルネスの教え」HPへ リンク先はこちら」

※「教育者、子どもに関わる方のためのマインドフルネス、Facebookグループ」リンク先はこちら

 

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