こんにちは、普段は高校教員として世界史を高校生に教えている「じんくみ」です。
今まで紹介した
教育者リトリートで語った体験談その①
教育者リトリートで語った体験談その②
に続いて、今回の話はその③です。
人には言えても自分には言えなかったこと

タイのプラムビレッジで「ここにいてくれてありがとう。あなたがここにいてくれるということが嬉しい。」というメッセージを受け取った私は、それを生徒に伝えたい、そういうことを伝えられるような先生になりたいと思って日本に帰ってきました。
そして、その時の生徒たちにそのことを伝え、温かなエネルギーが私たちの中に流れることを感じる経験ができました。
その次の四月にまた異動となって新たな学校に移ることになりました。今までとは違って帰国子女の生徒たちが多い学校です。
新しい学校では、今までと全然違うシステムで分からないことだらけです。資料がどこにあるか分からなかったり、手続きのやり方やそもそも何が求められているのかが分からなかったり、英語でどうやってうまく説明したらいいのか分からなかったり、帰国子女の生徒が英語で話していることがよく聞き取れなかったり、戸惑うことが多くありました。
「生徒が面白いと思えるような授業がしたい」「深く考えさせられて、かつ興味を持つような授業がしたい」と思っていました。でも、それができているとは思えませんでした。
職員室では周りの先生に質問してばかりで、まわりの先生の負担になっているように感じていました。「自分は迷惑をかけている」としか思えませんでした。「他の人の役に立っていない」ということを辛く感じていました。
朝目覚めても気分は重く、自分の呼吸が浅くなっていることに気づくこともありました。プラムビレッジのプラクティスを学んだ後だったので、呼吸に気づいて呼吸が深くなるようにと実践してみました。
でも、呼吸を深くすることができませんでした。呼吸を深くしようとすると苦しいのです。浅い呼吸しかできませんでした。サンガの集まりに行けば一時的に気は楽になりますが、それは一時的なものでした。
ある夏、友人との再会

ある夏の日、私は友人と久しぶりに会いました。そして彼女に近況報告をする中で、プラムビレッジの話をしました。タイのプラムビレッジで私が何を経験したのか。そしてどのようなことを思って日本に帰ってきたのか。私はそのことを話しながら、目の前にいる友人が「ただ、そこにいる」ということをただ喜んでいる自分を見つけました。
彼女は元々は自分でNGOを立ち上げて海外を飛び回る元気な人でしたが、少し前に病気をしてそんなに遠出ができない状態になっていました。しばらく入院もしていて、食事制限も続いていました。
おそらくそういうことがあったからだと思います。「この人が何かをしてくれるから、とか、何かが出来るからとかではなく、この人が今ここにいるということが本当に嬉しい。」とプラムビレッジの話をしながら私は感じていました。
直接話していた時にはその話はしませんでしたが、帰り道で改めてそのことを感じて、途中にある井の頭公園で降りてメールをしました。私がその日どのように感じていたのか。彼女が何もできなくても、たとえ体調が完全じゃなくとしてもただそこにいることを本当に嬉しいと思ったこと。
そのメールを打った後で私は、自分自身のことを考えていました。改めてプラムビレッジで体験したことを見つめ直していたのです。
生徒に対してや友人に対しては「あなたがただそこにいることが嬉しい。認められるために特別な何かをする必要なんてない。」ということができるけれども、私は私に対してそう言うことが出来るのだろうか?と。
そして、他の人に対しては「そのままで良い。何もしなくてもあなたは素晴らしい。」と言うことができても、自分自身に対しては同じことを言うことが出来ない自分に気がついたのです。そのことに気がついた時に、私はまた泣きました。
そして自分自身に対して「人の役に立たないことがあっても大丈夫。生徒にとって特別な先生にならなくても大丈夫。」と言う練習を始めました。何かが出来たと思えた時にも「よかったね。でも、それが出来ても出来なくても大丈夫だからね。」と自分に言うようにしました。
プラムヴィレッジの体験を日常生活で活かす

大変なことは今だってありますが、今では毎日生徒と会えることを楽しみに学校に行けるようになりました。毎朝生徒の顔を見て「おはよう」という度に「今日も会えて嬉しい」という気持ちで微笑むことができます。マインドフルネスのプラクティスが、生徒たちと過ごす毎日を当たり前ではなく、特別な一日一日だと気づくことを助けてくれます。時々は生徒と一緒にマインドフルネスのプラクティスを行うこともあります。
プラムビレッジやマインドフルネスのプラクティスと出会えて本当に幸せだと思っています。そして、色んな先生たちにも出会ってほしいと思って「教育者のためのマインドフルネス・デー」を開いています。

子どもたちとの日々に喜びを感じられるように。子どもたちに「あなたがただそこにいることがうれしい」と伝えられるように。そして、先生自身が「そのままで大丈夫」と自分のことを温かく受け入れられるように。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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