サラナ サラナ

 

ゆき 
「韓国に嫁いだ日本人」から見た「不買運動」のリアル ―ソウルからお届け【番外編】
facebook twitter

2019年8月9日現在の韓国での暮らし

サンガ社長の長女の「ゆき」です。

私は縁あって韓国の方と2018年に結婚し、現在韓国に住んでいます。

今、日韓関係のニュースが連日メディアを賑わせていますが、
先日、父から電話が掛かってきて、こう言われました。

「韓国で暮らしていて、実際にはどうなのか、ブログに書いてくれ」

新聞やテレビを見た日本の友人からも連絡が来ました。

「なんかデモとかやっているみたいだけど大丈夫?」

旅行のキャンセルやスポーツイベントの中止といったニュースが日本で報道されているといいます。

私の方はというと、この1か月間、出産で入院していたために全く外出していないおかげで、外で何が起きている色々なことから置いてきぼりぎみでした。

 

久しぶりの外出

久しぶりに外出してみると、すでに身近にも余波が来ていました。

アパートの1階にミニストップがあってちょっとした買い物に利用しているのですが、いつものように飲料の置いてある冷蔵庫を覗くと風景がなんだか変わっている。

以前は冷蔵庫の一角を占めていた、日本のビールの在庫がごっそり消えていました。

そしてアパートの正門には

「日本の経済侵略に負けない」

といった内容の横断幕が。また、ソウル市内の市場にも

「NO」

「BOYCOT JAPAN 日本に行きません、買いません」

といった掲示物が貼り出されています。私の知人の中には(彼も外国人)、このような不買運動を支持すると言う人もいます。

一方で、このメッセージを書いた旗を掲げたソウル市の中区には批判が殺到したそうです。ソウル市の中区はミョンドンなどが位置し、日本人観光客も多く訪れるところです。区長がフェイスブックで「不必要な誤解を与えかねない」などと謝罪し、撤去を決めました。計画では計1100本を設置する予定だったそう。

日本人にしてみればどうしても目に入ってしまいます。こういうメッセージが至る所に書いてあったら、いくら楽しく旅行していても水が差してしまうかもしれません。

 

私と韓国

日韓関係が悪化して、反日感情、反韓感情が高まりお互いを理解し合えなくなるのは残念だと思います。

私は去年韓国人の彼と結婚しましたが、もともと韓流ブームにのったこともなく、日韓関係についてもどちらかというと感心が高い方ではなかったと思います。

その私が日本と韓国の歴史問題を意識し始めたのは、彼のおじいさんに会ってからです。

「日本からは何時間掛かる?」

初めて会った時(彼と遠距離恋愛をしていた頃)、おじいさんに日本語で話しかけられました。

彼のおじいさんは現在も会話ができるほど日本語が上手です。昔学校で習わされたという、日本語の単語がするすると出てくる。そしておばあさんは、日本にとっても詳しい。どうしてかと聞いてみると、幼少期を過ごした満州で日本人と交流があったんだと話してくれました。
韓国の年配の方の中には、いまも日本に複雑な感情を持つ人もいると聞きます。いがみ合った歴史を乗り越えて、彼のおじいさんとおばあさんはとても温かく私のことを受け入れてくれ、歓迎してくれました。

これまで起きてきた竹島や慰安婦、徴用などの歴史的問題。対立もある一方で、過去に向き合って築いてきた良い関係もあるはず。それを崩したくはないと感じます。先月生まれた私たちの息子には、韓国と日本の家族両方が集まって笑い合える環境で育ってほしい。そういう場をつくることが私たちの責任だと思います。リベンジを重ねるようなことは今の時代で終わりにして、2つの国が協力し合う平和のバトンを次の世代へしっかり渡したいと思います。


(写真:旦那さんのおじいさん、おばあさんと。ひ孫との対面を心待ちにしてくれています。)