社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)
『ブッダの実践心理学』を想う
このシリーズは、今は全7巻で完結している。
第1巻(2005年出版)から第8巻(2013年出版)を経て、今ある第7・8巻の合冊が今年2017年の出版。だから完成まで12年かかっている。
サンガ東京オフィス(飯田橋)開設が、2003年の話だ。つまり、このシリーズがサンガの歴史を代弁しているといっても、言い過ぎではないと思う。
きっかけは20年ほど前
仙台で父とともにアイス屋をやって、それをやめたのが1998年のこと。もう二度と会社経営はやらないと心に誓っていた。
当時は毎月、スマナサーラ長老の熱海の合宿に通っていた。いつも風呂掃除を先輩の細野さんとやっていた。
熱海の合宿は毎月4泊5日で、風呂会議がどんどん盛んになる。
スマナサーラ長老の「アビダンマ」の解説は、それまで大乗仏教にしか接していなかった僕にとって、ものすごく新鮮で驚きの連続。まさに僕の仏教観を打ち破るものだった。
その論理性、繊細さ、明晰さ、そして分かりやすさ、僕は本当に素晴らしいと思った。
当時は日本テーラワーダ仏教協会のテープをIさんからもらって、自宅で聞いていた。
A面B面で計120分のものが、たしか35巻くらいあったと思う。
当時の僕は出版社を本格的にやるつもりはなく、できれば出家したいなと考えていた。
でもとりあえず出版社を作ったのは、父の本を出すためだった。
それが、サンガが出版した本の第一号『癒しの仏陀』(島影利八著)だ。
話は戻るけれど、「風呂会議」の中心議題の一つは、スマナサーラ長老のアビダンマだった。
細野さん「長老のアビダンマは本当に素晴らしいな」
僕「ほんとですね」
細野さん「あんたんとこ出版やってるんだから、本にしなよ」
僕「ですかね」
こんな会話を何回したか分からない。
僕は長老の本を出すのに異論はない。むしろそうしたかったが、会社を大きくして資金繰りに困るのが嫌だった。
でも、「風呂会議」が続き、テープを聞いているうちに、なんか具体的に考えるようになってしまった。
山喜房書店で市場調査
そしてまず、市場調査をすることにした。
それで選んだ書店が、仏教書を専門に扱う「山喜房」書店である。
行ってみて話を聞いてみた。
僕が長老のアビダンマ解説の構想を話すと。
店主「そういう本は1ページ10円で定価を考えるんだ」
僕「はあ。そうすると、考えていた第1巻のページは300ページ以上なので、3000円を超えますね・・。それでどれくらい売れるものですか?」
店主「100冊」
僕「1か月でですか」
店主「いや、1年で」
それだと月にだいたい8冊だ。
それでも『ブッダの実践心理学 第1巻』が誕生したのは、これが駄目だったら仙台に帰ると決心したから。
先立つものがなければそれ以上はできない。往生際が悪いのは僕の癖だ。
そして、2005年11月、ついに第1巻を出版した。
ところが驚くことに、これが月に1000部以上売れた。
僕は思った。
「こんなに読者がいるならやっていける、まさにこれからはスマナサーラ長老の時代だ」
そしてサンガは本格的に出航し始めた。
今、『実践心理学』シリーズは、累計5万部を超えている。