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2019.11.22

社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)

まがったキュウリ〔2〕「日本編」まで

戦前から戦後の日本と鈴木俊隆

鈴木俊隆という人が生きた時代、
1904年から1971年までは、
牧歌的な古きよき日本の時代から、
暗黒の戦争の時代、
そして、敗戦後の迷える時代へと
日本は向ったときだ。

日本にいたときの鈴木俊隆の人生は、
まさにこんな時代に関わっていたのだ。

彼自身も、焼津の林叟院をこよなく愛しながらも、
もがき苦しみながら、生きていたんだと思う。

英語が大好きで、アメリカに親しみを感じていた俊隆は
アメリカに行きたいと自分の師匠に言ったが、
それをダメだと言われて、
彼は一度、渡米するのを断念してしまう。

「三帰依文」と「帰依三宝」

テーラワーダ仏教には、

  • 「ブッダン サラナン ガッチャーミ」
    (ブッダ(佛・覚者)に帰依いたします)

  • 「ダンマン サラナン ガッチャーミ」
    (ダンマ(法・真理)に帰依いたします)

  • 「サンガン サラナン ガッチャーミ」
    (サンガ(僧・聖者の僧団)に帰依いたします)

という、「三帰依文」というのがあるが、
曹洞宗にも

  • 「南無帰依仏(なむきえぶつ)」

  • 「南無帰依法(なむきえほう)」

  • 「南無帰依僧(なむきえそう)」

という「帰依三宝(きえさんぼう)」というのがある。

これは三帰依文とまったく同じことを言っているのである。

戦時中に守り続けた道元の教え

戦時中、あらゆる宗教が、
戦争礼賛に向かっていく中で、
彼は極力、中立を守った。

つまり、戦争礼賛にはならなかったのだ、。

終戦後の貧しいときに、
鈴木俊隆は道元の
「法を守れば、必ずその法に守られる」
という言葉を聞いて、
その教えを守り続けた。

鈴木俊隆は、自身の言葉で、こう述べている。

私は道元禅師の世界を初めて知って以来、
絶えず私が仏教徒の道を忠実に遵奉していれば
生活は維持されるであろう、
という私の信念を試していました。
これは食べ物が十分になかった戦争中、
特に戦後にあてはまりました。
『まがったキュウリ』135ページ)

 
焼津の林叟院(2017年7月)

 

妻が殺される

戦後のお寺には、
実にいろいろな人が通ってくる。

そんな雑多な人たちのなかで、
焼津の林叟院、そして、鈴木家に悲劇をもたらす
大坪という軍人あがりの僧侶がやってきた。

家族が彼を気味悪がるのを
俊隆は聞かず、
大坪をそのまま滞在させていた。

そんな中で、悲劇は起こった。

大坪はなんと
俊隆の妻のちゑを
七回も斧で頭を打ち付けて、
殺してしまったのである。

大坪はその後、
精神病院に収容された。

この悲劇を、俊隆は
「これはけっして大坪のせいではない。
私のせいだ」と、
ずっと皆に語っていたのだという

この悲劇が、俊隆の心を
アメリカに向かわせたのは間違いないと思うが、
そのことについては、本の中ではっきりとは書かれていない。

しかし、推測するに、
あの魅力的な笑顔の
鈴木俊隆にとって、
そのときの気持ちは、
表現できないくらいの
悲しみとなって
秘められているのだろう。

もしかすると、彼の名著
『禅マインド ビギナーズ・マインド』
このときのことが
原点になっているのかもしれない。

 

『禅マインド ビギナーズ・マインド』サンガ新書と原著

 

そして俊隆は、1959年、
55歳にして、アメリカに旅立つ。

つづく

「まがったキュウリ〔1〕」は≪コチラ≫

 

 

12月3日開催『まがったキュウリ―鈴木俊隆の生涯と禅の教え』刊行記念講演会

出演:藤田一照/荻野淳也

お申し込みは[コチラ]


『まがったキュウリ』刊行記念として、
本書の監訳をされた禅僧・藤田一照老師と、俊隆老師を憧憬しサンフランシスコ禅センターにも訪れているMiLiの荻野淳也氏に対談いただきます。
本書は、『禅マインド・ビギナーズマインド』に結実した講話をおこない、アメリカに禅を広めた第一人者である鈴木俊隆老師、唯一の評伝です。
スティーブ・ジョブズをはじめてとしてアメリカ西海岸におけるカウンターカルチャーに大きな影響を与えた鈴木老師の生涯について、ひも解いていきます。
藤田老師には同じ禅僧として、鈴木老師のアメリカでの影響についてお話しいただき、
荻野氏には、鈴木老師の教えがシリコンバレーの経営者たち(Wisdom2.0も)にどのような影響を与え、現在のマインドフルネスブームへと至ったか、
お話いただく予定です。

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【日程】
2019年12月3日 (火)19:00 ~ 21:00 (18:30開場)

【会場】日暮里 人間禅 擇木道場
〒110-0001 東京都台東区谷中7丁目10-10

【参加費】
「一般」2,600円
「web一般」2,400円
「サンガジャパン定期購読者」1,900円
「サンガジャパンバックナンバー3冊」(入場券付)5,940円
「サンガジャパン新規定期購読申込み」(入場券付)5,940円

「『まがったキュウリ』付参加券』6,500円 (別々に購入するより1,000円以上お得です)

web決済がお得です。