編集部
マインドフルネスの最新科学研究に焦点を当てた身心変容技法研究
身心変容技法研究の成果を世に問う
本書は鎌田東二氏(京都大学名誉教授)が研究代表を務める、今も継続中の研究〔科研(日本学術振興会研究助成事業)「身心変容技法の比較宗教学-心と体とモノをつなぐワザの総合的研究」(科研基盤研究A 、2011年度-2014年度)と「身心変容技法と霊的暴力-宗教経験における負の感情の浄化のワザに関する総合的研究」(科研基盤研究A 、2015年度-2018年度)〕の研究成果を世に問う一冊です。
多岐にわたる研究の中から、いまマインドフルネスとしてブームになっている瞑想をめぐる、脳科学、認知神経科学、宗教学などの最新研究を一冊に編みました。
身心変容技法シリーズ①
身心変容の科学~瞑想の科学
――マインドフルネスの脳科学から、共鳴する身体知まで、瞑想を科学する試み――
身心変容技法とは
「身心変容技法」研究は2011年に立ち上げられた研究です。ここで提起されている「身心変容技法」とはいかなるものなのか、その定義を鎌田氏が本書の中で明確にしています。
身心変容技法とは「身体と心の状態を当事者にとって望ましいと考えられる理想的な状態に切り替え、変容・転換させる知と技法」を指す。(鎌田東二)
この身心変容技法を軸として、鎌田氏を研究代表に、学問分野を横断して、身体知、脳科学、医療、スピリチュアリティ、瞑想、修行、神話、シャーマニズム、そして霊的暴力などなど、様々な身心をめぐる領域を研究の対象として、研究を進めています。
編者 鎌田東二氏よりのコメント
現在マインドフルネスやヨーガが大流行していますが、本書が目指したのはどこまでそれらの技法のもたらす身心変容や効果を「科学」できるかということです。
本書はそうした研究・最先端科学の成果を盛り込んだ学術研究書です。大きく2部構成にし、第1部で瞑想の科学に焦点を当て、第2部ではより広く心のはたらきと身心変容の関係に科学的アプローチをしています。
そして、本書は学術書ではありますが、初心者でも読みやすく入りやすいように工夫をしており、特に、「第1章 瞑想の脳科学の現在」では、チベット仏教の研究者であり、実践者でもある永沢哲さんが「二一世紀の瞑想する脳科学――自己変容のパラダイム」との題で、とてもわかりやすくかつ体系的に問題点を整理して提示してくれています。
加えて、最終章の「第7章 シンポジウム―身心変容の比較宗教学」では、フランス現代思想を踏まえて自在に創造的思考を展開している合気道道場・凱風館館長でもある内田樹さんの合気道および武道や能をめぐる講演や、比較宗教学者でもあり禅僧として「ありがとう禅(禅念仏)」を提唱している町田宗鳳さんの講演があります。
そして、その講演をいっそう深めるものとして、認知科学者の齋木潤氏(京都大学大学院人間・環境学研究科教授。本書「第2章 瞑想を測定する」や「第4章 瞑想による身心変容の科学的実践研究の試み」など、刺激的論考を提起)や、祈り研究の第一人者の棚次正和氏(京都府立医科大学名誉教授。本書「第6章 瞑想と連関する身体技法」において「応用キネシオロジーの世界―O‐リングテストは擬似科学か」を問題提起)が加わって、さらに豊かに議論を展開しています。大変アクチュアルで面白くてスリリングなもので、読み物としても楽しめると思います。
最先端学術書にして、研究者のみならず一般の読者にとっても有意な、日々の生き方に役立つヒントに満ちた示唆の書が、本書です。
ぜひ手に取って、確かめ、役立てていただければこれにすぐる喜びはありません。
編者・鎌田東二 記
* * * * * *
今現在、アクチュアルに展開している研究です。シリーズ続巻を期待してください。
(編集 川島)