社長ブログ(ほぼ毎週金曜日更新)
まがったキュウリ〔1〕『禅マインド ビギナーズ・マインド』との出会い
ニューヨークにいた姉貴からの助言
僕が初めてこの本と出会ったのは、
もう何年目になるのか忘れたが、
そのきっかけは、2017年7月7日の社長ブログ
「鈴木俊隆老師のお寺に行ってきた。」に書いた。
それは、ニューヨークにいた姉貴が
「この本、アメリカで売れてるよ。
あんたのところで、翻訳版を出したら」
と言ったのがきっかけだった。
それが、鈴木俊隆老師の著書
『Zen Mind, Beginner’s Mind』だ。
そのとき、アメリカのAmazonで調べてみたら、
たしかに売れている。
そして、いま現在でも売れている。
この本は、川島が編集担当になったのだが、
川島が適任の翻訳者も見つけてきた。
この本は2010年に単行本
『禅マインド・ビギナーズマインド』として刊行し、
2012年には新書にもなった。
アップル創業者のスティーブ・ジョブズが行った
タサハラ禅マウンテンセンター(禅心寺)が鈴木俊隆老師のお寺であり、
また、スティーブ・ジョブズの愛読書でもあったので、
『禅マインド・ビギナーズマインド』は、
「歴代サンガ新書第4位」のベストセラーになっている。
『禅は、今ここ。――Zen Is Right Here』を翻訳した
その御、2014年には、
デイビッド・チャドウィックが編集した
『Zen Is Right Here』を
邦題『禅は、今ここ。』として刊行した。
これは、サブタイトルに
「1960年代アメリカに禅を広めた、鈴木俊隆の教えと逸話」
とあるように、
鈴木俊隆老師と接した修行者たちが語る、
老師とのエピソードとその教えをまとめた1冊だ。
そして、この本は、僕が初めて翻訳した本でもある。
とはいっても、僕が翻訳した本は、後にも先にも、いまだにこの本だけである。
チャドウィックと神保町で天丼を食べる
そして、デイビッド・チャドウィックが
東京オフィスに尋ねてきたことがあった。
そこで川島も一緒に、
川島の紹介する
神田神保町の三省堂書店本店の向かいにある。
「はちまき」というてんぷら屋に天丼を食べに行った。
ふと思うのだが、やっぱり日本人は、
当然かもしれないが、外人を接待するときは、
まっさきに日本食を考えるものだ。
今度、外国人にこういう機会があったら、
日本の評判のよいステーキ屋にでも連れていって、
食べなれている外国人の視点から
感想を聞いたほうが面白いのかもしれない。
チャドヴィックはまさにカウンターカルチャー世代を体現するような人で、
茫洋として、とらえどころがなく、それでいて何か魅力的な人だった。
『まがったキュウリ――鈴木俊隆の生涯と禅の教え』
それ以来、チャドウィックには会っていないが、
前にブログで書いた林叟院で、
鈴木俊隆老師の息子さんである鈴木包一住職から、
鈴木俊隆さんに禅を教えてもらったという浅岡定義さん訳の原稿を手渡された。
それがチャドウィックの著書
『Crooked Cucumber:
the Life and Zen Teaching of Shunryu Suzuki』
の翻訳であった。
本書を浅岡定義さんが一目見て
「翻訳したい」と言ったらしい。
原稿を見たとき僕は、
これはすぐにでも出版できると思ったが
やっと今月、
『まがったキュウリ――鈴木俊隆の生涯と禅の教え』
というタイトルで刊行できることになった。
できた本はなんとページ数「482ページ」、
なおかつ「二段組み」の本になった。
これは鈴木俊隆老師の大河小説だ
この『まがったキュウリ』は、
鈴木俊隆のまさに幼年期から、
そしてその生涯を詳細に綴った、
まるで大河ドラマのような、
その時代を髣髴させる、
非常におもしろい本である。
俊隆老師は幼年期は「トシ」と呼ばれていたらしい。
当然といえば当然なのかもしれないが、
お寺の家系に生まれてきたのだが、
仏縁があったのは当たり前だが、
でも、たとえ同じような環境に育っても、
僕は仏教に本当に興味を持つ人間と、
そうはならない人間がいると思う。
鈴木俊隆は、幼年期、
同級生がカエルを膨らませて殺すのを見て、
次の日、カエルが殺されないように、
早く起きて、わざわざ音をたてて
カエルを逃がしてやり、
同級生がいたずらできないようにした。
まさに俊隆は、根っからの仏縁をもって、
生まれてきた人なんだろうと思う。
この大河長編をこれから社長ブロクで、
何回かにわけて綴ってみたいと思う。