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2017.06.16

編集部

マインドフルネスよ、どこに行くのか?

マインドフルネス洗顔にブームを思う

 

昨今の「マインドフルネス」のブームにのっかって、サンガでもマインドフルネスと名を冠した本を、ここ最近多く出している。書店のフェアも数年続けて開催している。メンタリストDaiGo氏にも登場いただいて、お蔭様で好調のようです。ありがとうございます。

ところで、マインドフルネスブームを実感したのは、ある朝、通勤のためにJRに乗っていたときだ。車内の動画広告で、どこかの化粧品会社の宣伝だったが、マインドフルネスに洗顔をしようという、内容だった。一瞬、目を疑ったが、間違いなくマインドフルネス洗顔を薦めていた。

会社についてすぐにネットで検索したもの。S社だった。今改めてサイト(http://www.hada-senka.com/mind/)を見たら、熊野宏昭先生も実験に協力している。

熊野先生には『実践! マインドフルネス』で大変お世話になりました。

 

実践!マインドフルネス商品画像

 

 

どんどんと裾野は広がっている。とどまるところを知らない。

どこに行くのだろう、マインドフルネス。

どうなりたいの? マインドフルネス。

 

『マインドフルネス』を出版したのは2012年。

 

『マインドフルネス』というタイトルでサンガで本を出したのは2012年。アメリカで活躍するヘーネポラ・グナラタナ長老の代表作の翻訳だ。この本は、米国では20年以上に及ぶロングセラーだった。しかし日本では知られておらず、ましてマインドフルネスという言葉はほとんど流通していなかった。
『マインドフルネス』なんて誰も知らない言葉をタイトルをつけて大丈夫なのか? タイトル決定会議で話題になったのを良く覚えている。編集者としては、じゃあ『マインドフルネス』という言葉をこの本を通して流通させればいいんじゃない、と思っていたので、そんな状況はとても面白かったのだ。この本にはそれだけの力があると思ったし、とても新鮮だった。
マインドフルネス商品画像

『マインドフルネス:気づきの瞑想』(バンテ・H・グナラタナ[著]/出村佳子[訳])

 

実際、医療の分野ではジョン・カバット‐ジン博士の『マインドフルネス・ストレス低減法』があり、専門家による研究は進んでいたけど、一般書ではなかった。

それが、2014~2015年あたりからテレビで紹介されるようになり、2016年になると一気にベストセラーの一角を「マインドフルネス」の関連書籍が占めるようになった。

たった5年くらいのことなのに、隔世の感。
では、そもそも「マインドフルネス」とは、なんのか?

 

ダライ・ラマ法王はマインドフルネスのキーパーソン

 

ヴィパッサナー瞑想が「マインドフルネス」なのか?
いやいや、ジョン・カバット‐ジン博士は韓国の禅僧の影響を受けている。

テーラワーダ仏教の多く本を作っているので、どうも東南アジアの僧院にジョン・カバット‐ジン氏やジャック・コーンフィールドといったマインドフルネスの代表者が瞑想修行に行っ、というようなエピソードにフォーカスしてしまう。

しかし、禅もマインドフルネスにはしっかり入っているのである。
そう、ティク・ナット・ハンも禅僧だ。

さらに言えば、マインドフルネスが科学的な検証を経て、効果ありと注目されるようになったには、ダライ・ラマ法王の肝いりで立ち上がった研究機関「マインド・アンド・ライフ・インスティチュート」が大きな役割を果たしている。

 

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そんなことの詳細は『別冊3マインドフルネス』のなかで、藤野正寛さんに詳しく歴史的経緯を書いていただいているので、ぜひ読んでみてください。

マインドフルネス (別冊サンガジャパン3) 商品画像

『マインドフルネス(別冊サンガジャパン3)』(蓑輪顕量[監修])

 

ブームのおかげというか、瞑想という言葉もあまり色眼鏡なくみられるようになり、一般紙でも使われるようになった。

ではそもそもマインドフルネスとは、なんなのだろうか。ことに日本において、マインドフルネスとは、なんだろう。
その疑問はあまり解けてはいないように感じる。
学会もたちあがって研究も多岐わたっているから、これからなんだろう。

マインドフルネスは、ブームとして一過性のことに終わってしまうのか? 瞑想の文化は仏教のそもそもではないのか? それがブームとして扱われて消費されるのじゃ、あまりにさびしい。などと思いつつ、本の企画を立てるのである。

 

(編集部 川島)