イベント紹介 編集部
「マインドフルネスと解脱:子育てと看取りの視点から」
「マインドフルネスと、解脱と、子育てと、看取り」が、ひとつのラインにつながるとき
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井上ウィマラ先生は日本を代表する瞑想指導者であり、心理療法と仏教瞑想を統合する試みの先頭に立っている、日本におけるマインドフルネスの先頭バッターです。
オンラインセミナー第1回にご登場いただいた熊野宏昭先生と以前雑談をしていた折、医療系のマインドフルネスと仏教のつながりを打ち出すような本が作れないかと相談していたのですが、その時に、「それなら井上ウィマラ先生が最適任ですよ。完璧なアビダンマの知識をお持ちで、マインドフルネスの先頭に立っていらっしゃる」というようなお話をいただいたことを覚えています。
井上ウィマラ先生は今は大学で教鞭をとっておられますが、元々はテーラワーダ仏教の比丘でいらした方です。京都大学で哲学を学んだあと、禅の修行をされているとき、縁あって福岡は門司にある世界平和パゴダに出会われ、そこでテーラワーダ仏教と出会い、沙弥出したそうです。その後すぐに、ミャンマーのチャンミェ・セヤドーの瞑想センターで修行に入られました。(詳しくは、『仏教瞑想ガイドブック(別冊サンガジャパン1)』「日本のヴィパッサナー瞑想史」ご参照ください)

井上ウィマラ先生が師事したチャンミェ・サヤドーはマハーシ・サヤドーの高弟。サンガから著作の翻訳も出版されてます。『気づきの瞑想実践ガイド』
ウィマラ先生は出家僧として、瞑想修行者として、アチャン・チャー系のアマラワティ僧院やアメリカのIMS(インサイトメディテーションソサエティ)など、多くの修行を積まれた後還俗します。さらに仏教瞑想をもとにMBSRを開発したジョン・カバット-ジンのインターンシップの研修を受けて帰国されました。
還俗のきっかけが、弟さんに子供が生まれ、その甥っ子の赤ちゃんを抱っこした瞬間、「命を懸けて守ろう」という強い感情が起きてきて、そのことをご自身が観察し驚いたことだと何かの対談で語られていましたが、グッとくる話です。
そういうウィマラ先生は、マインドフルネスの最終応用目標を「子育て支援」に置いているそうです。(『マインドフルネスと催眠』対談・大谷彰、329頁)
そう考えると、今回のテーマ「マインドフルネスと解脱:子育てと看取りの視点から」は、両極をつなぎ合わせたような言葉の組み合わせとも思えますが、実はとても自然で、重要な、そしてまだ誰も到達していない知見をうかがえる、貴重な機会ではないかと確信します。
第1回は熊野宏昭先生を聞き手に、鎌田東二先生が「身心変容技法とは何か」を縦横無尽に、魅力(魔力)たっぷりにお話しいただきました。そこで強調されていたのが、師の存在、良き先生との出会いが、飛躍、変容の体験には決定的に大切であると。そして、その先生は何も人に限ることはなく、人類や場のもつ深い記憶、叡智もまた師である、ということでした。
ウィマラ先生のご講義、どうぞご期待ください。
身心変容技法オンライン・セミナー第2回
2020年10月23日 19:00~20:00
井上ウィマラ先生
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「マインドフルネスと解脱:子育てと看取りの視点から」
マインドフルネスが仏教瞑想にルーツを持つことはよく言われることですが、それでは仏典のどんな教えに基づいた訓練体系なのかに関して詳しい解説や議論をされることはほとんどありません。今回は、仏教瞑想の目的である解脱とは何かについて確認したうえで、マインドフルネスが最も総合的に説かれている『Satipaṭṭhāna-sutta:念処経』においてブッダは心と身体をどのように見つめるように教えてくれたのかを概観してみます。そして、そうしたマインドフルな見つめ方がなぜシームレスなケア(チャイルド・ケア→ターミナル・ケア→グリーフ・ケア→そしてまた人に寄り添い・支え・育むことへ)につながっていくのかに関して、調律性(attunement)と応答性(availability)という2つのキーワードを介して考察してゆきます。かくれたキーワードは、ブッダが2600年前にこの経典に「ajjhatta-bahiddhā内外・自他」という言葉で埋め込んでおいてくれた「間主観性(intersubjectivity)」です。
(井上ウィマラ)
1959年山梨県生まれ。京都大学文学部哲学科宗教哲学専攻中退。日本の曹洞宗で只管打坐と正法眼蔵を学び、ビルマのテーラワーダ仏教でヴィパッサナー瞑想、経典とその解釈学を学ぶ。カナダ、イギリス、アメリカで瞑想指導のかたわらで心理療法を学ぶ。バリー仏教研究所客員研究員を務めた後で還俗し、MBSRのインターンシップを特待生として研修後に帰国。2005年より高野山大学でスピリチュアルケアの基礎理論と援助法の開発に携わる。2019年より健康科学大学健康科学部福祉心理学科教授。著書:『子育てから看取りまでの臨床スピリチュアルケア』興山舎、『呼吸による気づきの教え』佼成出版社。共著:『スピリチュアルケアへのガイド』(with 窪寺俊之)青海社、『マインドフルネスと催眠』(with 大谷彰)サンガ。翻訳:『呼吸による癒し』春秋社。監訳:『死にゆく人とともにあること』春秋社。編著:『仏教心理学キーワード事典』春秋社