サンガジャパン Vol.16(2014Winter)
通常価格:¥ 1,980 税込
¥ 1,980 税込
加算ポイント:18pt
商品コード: 200700
発売日:2013年12月27日
寄稿:アルボムッレ・スマナサーラ・プラユキ・ナラテボー,島田裕巳,石井光太×開沼博,蛭川立×藤本晃,田口ランディ×久保田尭隆,ティク・ナット・ハン
ISBN:9784905425700 C0015
A5判くるみ
特集:怒り
サンガ新書の『怒らないこと』が出版されたのは二〇〇六年の八月である。そのカバーの袖にある紹介文にはこうある。「昨今では、怒って当たり前、ややもすると怒らないと不甲斐ないとでも言わんばかりです。」つまり、今から七年ほども前には、怒りは悪いものとはみなされない、世間一般の風潮だったということだ。しかし今はどうだろうか。「怒らない○○」であるとか、「怒りを静める○○」など、怒りを生きるうえでの一大問題として扱った本は、枚挙にいとまがない。さらには「アンガーコントロール」「アンガーマネジメント」などの言葉で、企業社会にもその問題意識は広がってきているようだ。ではって、現今の社会状況に対して、我々は怒りの声を上げなくて良いのか? 危機意識のアンテナの感度は、いや増しに高まるばかりである。 しかしブッダは、「怒り」に対して、いささかの価値も認めない。そのことの意味が本特集により明らかになるだろう。「怒り」にフォーカスを当て、心の問題として対象化する仏教の智慧と理と方法を、そして「怒り」を巡る比較文化的考察を各氏にいただいた。 アルボムッレ・スマナサーラ長老は、Q&Aの形式で「怒り」の発生の機序と対処方法を、ブッダの知見から具体的に説き起こす。そして「思考」の問題へのアプローチから、心が感情にとらわれることの仕組みを明晰に解き明かしている。 またティク・ナット・ハン(釈一行)師も同様に、リトリート参加者の質問に答える形で、我々が「怒り」をどう扱うべきか、汎用性の高い例を引いてケーススタディを提供する。特に、社会的な正義に根ざしていると考えることのできる、一見否定すべきではない「怒り」であっても、それは肯定されるべきものではないという話は、エンゲージド・ブッディズムを代表する師の発言であるが故に、大きな意味を持つ。 では「怒り」への意識的なアプローチは仏教の専売特許なのか? 実はそうではないと、我々の視野を広げさせるのが、中村圭志氏、石飛道子氏の寄稿である。中村氏は、各伝統宗教において「怒り」がどのように捉えられたかを、各聖典の言葉を引いて考察。宗教的天才は、人間の深奥を見切るが故に、その洞察を同じくすることを明らかにしている。また石飛氏はアランやセネカの言葉とブッダのことばを対照し、洋の東西で異なることなき真理を明らめ、古人の教える処方箋も提供する。 そして、プラユキ・ナラテボー師と熊野宏昭氏の対談では、「怒り」をはじめとして、現代人が直面する心の問題へのアプローチとして、最新の臨床医療である認知行動療法やACTと仏教瞑想との同一性、親和性が語られる。さらに熊野氏はACTの現在を提供し、瞑想指導を通じて心のケアを展開するプラユキ師は自らの方法を披瀝、互いが抱える問題点をも浮き彫りにする。 今我々に必要なのは、改めて心の中の感情、「怒り」に気づき、それに智慧を持って対処する具体的な方法を得ることではないだろうか。心を統御できたとき初めて、人生にも社会に対しても、建設的にコミットすることができるのではないか。本特集がそのための一助となれば幸いである。
目次
特集 怒り
- 現代の「怒り」にどう向き合うか アルボムッレ・スマナサーラ
- 「怒り」に対処する臨床心理と仏教の実践 プラユキ・ナラテボー×熊野宏昭
- マインドフルネスの実践で、怒りに対処する ティク・ナット・ハン(釈一行)
- 仏教と西洋思想による「怒り」へのアプローチ 石飛道子
- 怒りを制するロジック 中村圭志
- サンガくらぶ活動報告
- 執筆者一覧
- お知らせ
- 編集後記
特別対談 われわれは、なぜ「周縁」に着目するのか 石井光太×開沼博
「幸福の科学」と池上彰 島田裕巳
カンポン・トーンブンヌン氏来日講演報告記 気づきは自分を見守り育む親のように 浦崎雅代
田口ランディ対話シリーズ 仏教のコスモロジーを探して-太陽が照らすがごとき、絶対肯定の『法華経』の世界 第六回:久保田尭隆
連載第二回 心物問題の形而下学に向けて-「超常現象」概念の解体とその発展的再構成へ 蛭川立
新連載 日本仏教は仏教なのか?-「最古層」の縄文経典に「後代」の三界説あり 藤本晃
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