サンガジャパン Vol.18(2014Summer)
通常価格:¥ 1,980 税込
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加算ポイント:18pt
商品コード: 200980
発売日:2014年8月28日
寄稿:アルボムッレ・スマナサーラ,高野秀行,蛭川立,藤本晃,大來尚順,西澤卓美,星飛雄馬,プラ・パイサン・ウィサロー,アーチャン・ケヴァリ,スラーク・シワラクサ
ISBN:9784905425984 C0015
A5判くるみ 本文244ページ
特集:インドシナ特集 カンボジア、ラオス、タイを巡って
テーラワーダ仏教、上座仏教の異名といえば、南伝仏教である。つまり中国、朝鮮半島を経由して日本に伝来された、北側ルートで広まった仏教=北伝仏教に対して、南側ルートで広まった仏教だ。今のインドとネパールが接するあたりに二六〇〇年前に誕生したのがブッダ=お釈迦様であり、その教えを伝え継ぎ、実践している仏教である。 日本には、「仏教は、百済・中国からもたらされたもの」という常識がいまだ厚く覆っている。そして、たとえば、「仏教の粋といえば日本仏教であり、精緻でミスティックな仏教の理想といえばチベット仏教」というような感覚が、なんとなくのうちに私たちの中にあるのではないだろうか。 今回の特集の問題意識を率直に言えば、「日本人は、南伝仏教を、同時代の文化として真正面から捉えることをしてきていないのではないだろうか? 観光的なコンテンツとしてしか、向き合ってこなかったのではないだろうか?」ということである。 東南アジアの国々では、この同時代において、テーラワーダ仏教を信仰し、その文化の中で仏教を生きているはずである。日本で死者を弔う儀礼が当然のように仏教のしきたりで行われ、僧侶が読経するのを当たり前とするように、東南アジアのテーラワーダ仏教文化圏では、テーラワーダ仏教の文化を生きているはずである。南伝仏教が知りたい! 同時代の東南アジアの仏教を知りたい!――そのような強い思いから、サンガではこの二月下旬にアルボムッレ・スマナサーラ長老と共に、カンボジア、ラオス、タイという、インドシナ半島の中でもテーラワーダ仏教が深く根付く地域を巡るツアーを企画した。この旅の記録は、後に単行本としてまとめる予定であるが、今回はその一端を特集として紹介する。 インドシナ半島の現在を語るとき、近現代の戦争の歴史を無視しては語れない。それは仏教をテーマとしても同じであった。インドシナ半島の仏教を知るための前提として、人間の残酷を知る必要があった。そして、それは同時に、仏教の真の力を知ることでもあった。現在平和が維持され、観光地としての人気も高いカンボジア。その土台には仏教があることを「カンボジア仏教の現在を知る」で報告している。カンボジア僧侶に向けて語られたスマナサーラ長老の法話は仏教の真価、真の力を伝えている。 次に訪れたラオスは、テーラワーダ仏教が人々の意識の深いところに息づいていた。そのラオスの現在を口絵で紹介しているので、仏教とともに生きる人々が醸す空気、気配というものを感じていただければと思う。 タイでは現代の仏教を知るために何人かの僧侶と仏教者に会い、その活動と考え方を聞いた。社会活動に比重をおく方たちと、瞑想に専心する方たちの、大きく二つの傾向を持つ方たちにお会いした。前者の筆頭というべきプラ・パイサン師、スラーク・シワラクサ氏。そして瞑想指導者として世界的に有名なアーチャン・チャーの法を嗣ぐアーチャン・ケヴァリ師の話から、タイ仏教の現在を知ることができるだろう。 旅の全工程をたどり全体を俯瞰する論考をツアーに参加された藤本晃氏にご寄稿いただいた。「村の僧と森の僧」によりインドシナの仏教の全体像を押さえることができる。そして仏教を巡る旅は、同時に心の旅でもある。企画をコーディネートいただいた大來尚順氏のエッセイでそれを感じていただきたい。 その他、アーチャン・チャーの兄弟弟子で、英語圏で多数の著作のあるアーチャン・マハーブーワの評伝や、作家・高野秀行氏によるタイと日本の文化比較からは多角的に仏教を知ることになるだろう。西澤卓美(ウ・コーサッラ)氏にはテーラワーダ仏教の伝統が伝わるために重要な戒壇をミャンマーを例に解説をいただいた。 南伝仏教、インドシナ半島のテーラワーダ仏教の現在の一端を、本特集から受け取っていただければ幸いである。
目次
特集 インドシナの仏教-カンボジア、ラオス、タイを巡って
- 第一部 カンボジア仏教の歩み 馬籠久美子
- (1)カンボジアの近現代と仏教
- (2)マハ・ゴサナンダ師の足跡
- 第二部 カンボジア仏教僧とスマナサーラ長老の対話
- (1)カンボジア仏教僧のお話
- (2)カンボジア仏教は世界を導く役割がある アルボムッレ・スマナサーラ
- 執筆者プロフィール
- サンガくらぶ活動報告/他
- 編集後記
カンボジア仏教の現在を知る
タイの名僧アーチャン・チャ―の足跡を尋ねて アーチャン・ケヴァリ
アーチャン・チャーの兄弟弟子、アーチャン・マハブーワ 星飛雄馬
森の修行を基盤に社会にコミットする、タイ・エンゲージド・ブディズムの論客僧 プラ・パイサン・ウィサロー
仏教に根差した思想と行動で、世界の仏教を支援するタイの先鋭的な社会活動家の提言 スラーク・シワラクサ
村の僧と森の僧 藤本晃
心の旅路とインドシナツアー顛末記 大夾尚順
聖と俗の厳しくもゆるやかな一線 高野秀行
ミャンマー仏教はどのように現在まで続いたか 西澤卓美(ウ・コーラッサ西澤)
連載第四回 心物問題の形而下学に向けて-時計の時間と夢の時間
連載第三回 日本仏教は仏教なのか?-インダスの継承者・諸仏の系譜(前) 藤本晃
パーリ経典から学ぶパーリ語入門 西澤卓美(ウ・コーラッサ西澤)
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