シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト
~鹿島の地に灯る智慧の光り~
その③
前回は、シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトの三つの計画の第一番目、「シーマー(戒壇)と仏塔を建てる土地を片付け、その土地と周りの土地を平らにする」という計画が無事終了したことをお伝えしました。
今回から、「ミャンマーから比丘サンガを日本に招待して場所(土地)をシーマー(戒壇)と決める」という第二番目の計画がどのように行われたかについて、順を追ってお知らせいたします (上座仏教修道会、マッジマ パティパダー通信より引用)。
シーマー(戒壇)の認定は一人の比丘だけで行うことはできません。
お釈迦さまが認められた五人以上の比丘の集いである比丘サンガが必要です。五人以上の比丘サンガによって、はじめて認定儀式を行うことができます。今回は、ミャンマーのヤンゴンにあるマハー・アウンミィエ僧院の僧院長ケサラ大長老(90歳)、マハーシー・サーサナー・ヴィマーナ瞑想センターのワーヤーマー・ウダ大長老(85歳)を始めとする10名の比丘サンガを招聘しました。戒律・禅定・智慧を具えられた特別な比丘さま方です。
マハー・アウンミィエ僧院は上座仏教修道会のニャーヌッタラ大長老が副僧院長を務める僧院です。ケサラ大長老は3度目、ワーヤーマー・ウダ大長老は2度目の来日となります。比丘サンガは2017年10月27日(金)から12月5日(火)の40日間、上座仏教修道会淨心庵精舎に滞在され、下記の14の儀式が執り行われました。
1.シーマー(戒壇)土地解除の儀式
2.シーマー(戒壇)認定儀式
3.カティナ・シーワラ・ダーナの儀式(お釈迦さまがお褒めになられた衣を供養する儀式)
4.サンガ・ウポサタの儀式(比丘サンガの戒律の儀式)
5.日本人ケーマーナンダ見習出家者の比丘出家儀式
6.ミャンマー人の仮比丘出家儀式
7.(1~3の)の三大儀式の回向会
8.21年間存在した上座仏教修道会の「古いシーマー(戒壇)土地解除の儀式」
9.11月第二土曜日、東京コミュニティカレッジにおいて、法の相談会(法についての質疑応答)
10.11月第二日曜日、上座仏教修道会新宿教室での説法会において比丘サンガの祝福と護経と説法
11.11月の第6期特別瞑想会の「夜の説法」
12.11月第四日曜日、ミャンマー説法会において比丘サンガの護経と説法
13.更受具足戒(こうじゅぐそくかい)の儀式
14.12月の回向会
2017年10月27日(金)、新月から8日目(上弦)のウポサタ(布薩)の日にあたるこの日にミャンマーから招聘した10名の比丘サンガが成田空港に到着しました。上座仏教修道会会員有志20名が成田空港にお迎えにあがりました。到着ゲートから出てこられた比丘サンガ様とカッピア(比丘の生活が戒律にかなうようにお世話する人)2名を、仏教旗をはためかせながら歓迎し、儀式のために遠路はるばる日本の地にお越しいただいたことを心から深く感謝しながら、一人一人が思いを込めて尊敬合掌でご挨拶しました。
比丘サンガは当会の車と在日ミャンマー人信者の方が運転するマイクロバスで、茨城県鉾田市の淨心庵精舎へと向かわれ、午前9時30分ごろ無事到着されました。淨心庵精舎の入り口で車から降りられたところを、会員有志ほか淨心庵修行者が仏教旗を手にしてはためかせながら、心を込めてお出迎えしました。
続いて比丘サンガを淨心庵・瞑想堂にご案内、比丘サンガは瞑想堂に安置されている淨心庵ブッダと三宝に尊敬合掌礼拝されました。そして国を越え、淨心庵シーマー(戒壇)認定儀式のために来日された尊い比丘サンガの皆さまに対し、会員、関係者の方々が感謝の意を込めて尊敬合掌礼拝しました。次いで、淨心庵シーマー(戒壇)・仏塔建立予定地へ移動、敷地内をご案内しました。しばらくお休みいただいた後、10時30分から比丘サンガ11名に昼食のご供養を行いました。
昼食の供養を受ける比丘サンガ
午後1時30分より、「シーマー(戒壇)土地解除の儀式」のための準備として、シーマー(戒壇)・仏塔建立予定地の土地の上に桝目の線が引かれました。これはお経を唱える比丘サンガが、お互いに体が触れないよう、一人一人がその桝目に入り、しゃがんで唱えられるようにするためです。
シーマー(戒壇)の土地の上に桝目の線を引く比丘サンガ
2017年10月28日(土)~11月2日(木)まで、ケサラ大長老とニャーヌッタラ大長老を始めとした11名の比丘サンガによって、「シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー」を唱える「シーマー(戒壇)土地解除の儀式」がテーラワーダ仏教の伝統に則して執り行われました。シーマー(戒壇)土地解除の儀式とは、新たな土地をシーマー(戒壇)として認定するための重要な儀式です。その意味について次のようにニャーヌッタラ大長老がご説法されました。
これからシーマー(戒壇)を作ろうとする土地が遠い遠い昔のブッダ(過去仏)の時代にシーマー(戒壇)だった可能性があります。もしそうであれば、その上に新しくシーマー(戒壇)を作ることは出来ません。ですから、この土地に新しいシーマー(戒壇)を作る前に、古いシーマー(戒壇)の領域を解除する必要があります。このシーマー(戒壇)の領域を解除する儀式で唱えられる言葉が、お釈迦さまが説かれた『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』なのです。
比丘サンガは、淨心庵精舎の土地の上に一週間、雨が降っても、風が吹いても、日本の寒い気候の中でも、この『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』を、あらゆる方角に向かって唱えて、シーマー(戒壇)の領域を解除いたしました。
『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』を唱える比丘サンガ1
『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』を唱える比丘サンガ2
『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』を唱える比丘サンガ3
『シーマー・サムーハナナ・カンマワーチャー』を唱える比丘サンガ4
2017年11月1日(水)午後3時、淨心庵精舎ケサラ大長老居室において「ケサラ大長老による教え戒めの説法『5つの得難いことと4つの積むべき功徳』(ケサラ大長老[著]、ニャーヌッタラ大長老[日本語翻訳])の書籍が完成したことをご報告し、ケサラ大長老へご供養いたしました。この書籍は、2013年5月、ミャンマー国で、ケサラ大長老が、お釈迦さまの教えを実践する日本の人々のために教え戒められたご説法です。
淨心庵「シーマー(戒壇)認定儀式」と20年ぶりのケサラ大長老ご来庵記念として、発行日を2017年11月3日(金)満月のウポサタ(布薩)の日とし、お二人の大長老の徳とご恩を念じて出版いたしました。
ケサラ大長老に書籍「5つの得難いことと4つの積むべき功徳」を供養する
ニャーヌッタラ大長老(手前右)と上座仏教修道会吉田代表(手前左)
ケサラ大長老による教え戒めの説法「5つの得難いことと4つの積むべき功徳」
プロジェクトの実現に向けて国内外の心ある方々から既に多くの布施をいただいておりますが、東京オリンピック開催の影響で建築費が高騰しており、まだ十分とは言えない状況です。そこで資金面の強化のため3月1日から約2か月の予定でクラウドファンディング(インターネットを介した支援募集)を行っております。詳細は下記のリンクをご覧ください。
プロジェクト
クラウドファンディング申し込み先
https://readyfor.jp/projects/jpagoda
また通常のお布施も受け付けております。
http://jyouzabukkyo.jp/sima/ofuse/
お釈迦さまの教えが無くならないように、比丘サンガが栄えるように行う支援は大きな功徳になり、将来に渡って幸福をもたらすと信じられています。多くの方が滅多にないこの機会にプロジェクトにご参加いただき、得難い功徳を積んでいただきたいと思います。
https://www.facebook.com/日本上座仏教修道会-Japan-Theravada-Buddha-Sasana-Bhavana-Group-285429038726826/
影山幸雄(かげやま・ゆきお)
1960年、栃木県生まれ。東京医科歯科大学卒。医師。翻訳家。
訳書にリック・ハンソン『脳を鍛えてブッダになる52の方法』、チャンミェ・サヤドー『気づきの瞑想実践ガイド』、ミャンマー連邦共和国宗教省『テーラワーダ仏教ハンドブック ブッダの教え 基礎レベル』(以上、サンガ)ほか。