サラナ サラナ

 

影山幸雄 
第6回 シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト~その⑥
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シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト

~鹿島の地に灯る智慧の光り~

その⑥

 

影山幸雄

 

 前回は「シーマー(戒壇)認定儀式」に続いて行われた、「結界石を埋める儀式」の様子をご紹介しました。今回は「シーマー(戒壇)認定儀式」と「結界石を埋める儀式」が行われた同じ日に開催しました、安居明けの比丘サンガに“特別な衣”を供養する「カティナ・シーワラ・ダーナ」(14の儀式の3番目)と、比丘サンガの戒律の儀式である「サンガ・ウポサタ」(14の儀式の4番目)の様子をお知らせします。(上座仏教修道会、マッジマ・パティパダー通信より引用、一部改変)。

上座仏教修道会から「カティナ・シーワラ・ダーナ」の

供養を受けられたニャーヌッタラ大長老

 

 2017年11月3日(金)満月のウポサタの日、日本上座仏教修道会創立以来はじめて、比丘サンガによって「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式が実現いたしました。

 その日の朝、「淨心庵瞑想堂において、バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老へ上座仏教修道会会員有志によって「サンガッサ デーマ・・・」と比丘サンガを目指して「カティナ」衣が供養されました。

 

 黄昏時には、新しい淨心庵シーマー(戒壇)において、供養された「カティナ」衣を再び、代表吉田から会員有志たちの手から手へ大切に手渡され、バッダンタ・ウ・ケサラ大長老と、バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老をはじめ20名の比丘サンガの前に、尊敬して捧げ置かれました。

「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式

 

 淨心庵精舎で、3カ月の安居を無事に終えられた比丘が、さらに安楽に使うことが出来るように、比丘サンガが認める「カティナ・シーワラ」儀式が執り行われました。以下はニャーヌッタラ大長老による「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式についてのご説法です。

 

「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式について

~お釈迦さまが褒められた衣を供養して布施する儀式~

 「カティナ・シーワラ・ダーナ」とは、パーリの言葉です。「カティナ」とは「褒(ほ)められた」、「シーワラ」とは「衣」、「ダーナ」とは「お布施」という意味です。

 比丘サンガの3カ月間の安居が無事に終えられた後の1カ月間という決められた期間に、比丘サンガへ特別な衣を供養・お布施することです。

 昔からお釈迦さまをはじめとする聖者たちは、この衣の布施を称賛されました。

 「カティナ」のもう一つの意味には、「善い結果をしっかり得る」という意味があります。この特別な「カティナ」衣の布施を受けた比丘も、布施者も特別な善い結果が必ず得られます。このことも「カティナ」ということの意味です。

「カティナ・シーワラ・ダーナ」は、条件がそろうときに行うことができます。

「お寺にシーマー(戒壇)が存在する、比丘サンガが5人以上存在する、3カ月間の安居を無事に終えられた比丘が存在する、カティナ衣を供養する布施者が存在する、1カ月間の決められた期間にカティナ衣を供養する」などの条件がそろうときに、行うことができます。

「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式とは、お釈迦さまの教えがとても栄えるところでだけ行うことができる特別な布施であり、5人以上の比丘サンガが存在している場所でだけ行うことができます。比丘サンガの徳と恩が本当にわかる人ができます。

 安居中は、比丘も在家信者も熱心に瞑想修行に正精進で励みます。ですから、安居が終わったあとは、カティナ・シーワラ・ダーナを布施する人も、受け取る比丘サンガも、とても心淨らかになっています。このようなことから、カティナ・シーワラ・ダーナの功徳は特別大きなものであるといわれ、無量の功徳を積めるともいわれています。

 カティナ・シーワラ・ダーナを行った人は5つの特別な結果を得られるとされています。

 

「カティナ・シーワラ・ダーナ」の5つの結果

1.外出した時、危険に遭わない。

2.自分の財産が火事や盗みなどによって失われない。

3.毎日、健康で心安らかに過ごすことができる。

4.周りの人々から高い尊敬を受ける。

5.安らかな死に方をして、来世に善いところに転生する。

 

 これら5つが、カティナ・シーワラ・ダーナの功徳の結果です。カティナ・シーワラ・ダーナは衣のダーナの中でも、最もすぐれた功徳を生み出すダーナなのです。

 日本でカティナ・シーワラ・ダーナに出会う皆さんはとても幸運です。

「カティナ・シーワラ・ダーナ」儀式

 

 2017年11月3日(金)満月のウポサタ(布薩)の日の最後の儀式として、バッダンタ・ウ・ケサラ大長老と、バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老をはじめ、総勢20名の比丘サンガによって、新・淨心庵シーマー(戒壇)の土地の上で初の「サンガ・ウポサタ」儀式が行われ、満月の光背に包まれるようにめでたく幕を閉じました。ニャーヌッタラ大長老による「サンガ・ウポサタ」儀式についてのご説法を下記に掲載します。

 

「サンガ・ウポサタ」の儀式

~比丘サンガの戒律の儀式~

 「サンガ・ウポサタ」という比丘サンガの戒律についての儀式は、1カ月に2回、満月のウポサタの日と、新月のウポサタの日に行われます。

 その満月のウポサタの日と、新月のウポサタの日には、テーラワーダ比丘サンガたちは、シーマー(戒壇)の中に集まって、ハッタパーサ(120cm)以内に坐って、お釈迦さまが決められた戒律を、比丘サンガの代表である一人の比丘が唱えて、他の比丘サンガたちはよく聴く、という儀式です。

 この儀式はお釈迦さまの時代から、今現在まで、新月のウポサタの日と満月のウポサタの日に行われて来ました。

 淨心庵精舎の中で、お釈迦さまが教えられたとおりに、比丘サンガによって認定された「サーサナ・シリー・ダラ・シーマー(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)」の中で比丘サンガたちは、

 

仏暦2561年(西暦2017年、平成29年)

・11月3日の満月のウポサタの日に1回

・11月18日の新月のウポサタの日に1回

・12月3日の満月のウポサタの日に1回

以上、3回、「サンガ・ウポサタ」が行われました。

 

 以上の3回の中で、1回目の11月3日の満月のウポサタの比丘サンガの儀式では、ケーマーナンダさん(日本人の見習い出家者)は見習い出家でしたので入ることは出来ませんでした。2回目のときには、比丘になったので、淨心庵ケーマーナンダ比丘も、比丘サンガについての戒律の儀式に参加することが出来ました。

 12月5日に比丘サンガたちがミャンマーに帰った後も、セヤードーと、ケーマーナンダ比丘2人で、毎月毎月、戒律が清浄になるために、満月のウポサタの日と新月のウポサタの日には、新しい淨心庵戒壇の中に入って、お釈迦さまの教えられた戒律、慈経などを唱えて、最後に回向して、「サンガ・ウポサタ」という比丘サンガの戒律についての儀式を行います。

「サンガ・ウポサタ」の儀式

 

~三大儀式の初日完遂~

 仏暦2561年(平成29年)11月3日(金)満月のウポサタ(布薩)の日、淨心庵精舎において、「シーマー(戒壇)認定儀式」をはじめとして「カティナ・シーワラ・ダーナ儀式」、「サンガ・ウポサタ儀式」という一日に3つの儀式を無事に成し終え、三大儀式の初日を完遂いたしました。

 ニャーヌッタラ大長老の尊いご指導の下、特別プロジェクトチームの皆さんとともに、この日のために、日々準備を重ねてまいりました。当日は、淨心庵精舎食堂早朝4時に集合し、比丘サンガの朝食のご供養からはじまり、昼食のご供養、そして、3つの儀式に参加しながら、準備や後片付けなど、この日一日で、本当にたくさんの特別な功徳、波羅蜜を積むことができました。

 三宝とケサラ大長老、ニャーヌッタラ大長老をはじめ、20名の比丘サンガに感謝申し上げるとともに、会員や関係者の皆さんと積んだ、この上ない得難い功徳を心から喜び申しあげます。

 

サードゥ サードゥ サードゥ (善きかな、善きかな、善きかな)

 

三大儀式が終了して喜びにあふれる参列者

 

クラウドファンディング終了のお知らせとご支援継続のお願い

 おかげさまでシーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトクラウドファンディングは2020年4月30日をもちまして無事終了となりました。多くの方々のご厚意により当初の目標を越えるご支援をいただくことができました。スタッフ一同心から御礼申し上げます。プロジェクト実現に向けた大きな一歩となりましたが、多額の資金を要する大型のプロジェクトであり、引き続き通常のお布施によるご支援をいただければ幸いです。

 お釈迦さまの教えが無くならないように、比丘サンガが栄えるように行う支援は大きな功徳になり、将来に渡って幸福をもたらすと信じられています。多くの方が滅多にないこの機会にプロジェクトにご参加いただき、得難い功徳を積んでいただければと思います。

 

シーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立

プロジェクトクラウドファンディング結果

https://readyfor.jp/projects/jpagoda

 

引き続き通常のお布施も受け付けております。

http://jyouzabukkyo.jp/sima/ofuse/

 

 

 シーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトへのお布施についての詳細はこちらのリンクをご覧ください。

淨心庵「シーマー(戒壇)・仏塔建立」のお布施について

なお新型コロナ肺炎の関係で着工が遅れておりますが、プロジェクトの早期実現に向けて鋭意努力を重ねてまいります。プロジェクトの進捗状況につきましては上座仏教修道会ホームページ
http://jyouzabukkyo.jp/)、シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト
https://jpagoda.online/project/)等で随時お知らせいたします。

また下記のFacebook、Twitterにて関連情報を発信しておりますのであわせてご覧いただければ幸いです。

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影山幸雄(かげやま・ゆきお)

1960年、栃木県生まれ。東京医科歯科大学卒。医師。翻訳家。

訳書にリック・ハンソン『脳を鍛えてブッダになる52の方法』、チャンミェ・サヤドー『気づきの瞑想実践ガイド』、ミャンマー連邦共和国宗教省『テーラワーダ仏教ハンドブック ブッダの教え 基礎レベル』(以上、サンガ)ほか。

『テーラワーダ仏教ハンドブック2 ブッダの教え 上級レベル』刊行記念オンラインセミナー開催中

【お申込み受付中】影山幸雄先生の回は2021年1月9日(土)15時~17時です。

『テーラワーダ仏教ハンドブック2』刊行記念「ミャンマー仏教」連続セミナー