サラナ サラナ

 

影山幸雄 
第7回 シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト~その⑦
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シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト

~鹿島の地に灯る智慧の光り~

その⑦

 

影山幸雄

 

 前回は「シーマー(戒壇)認定儀式」に続いて開催された安居明けの比丘サンガに“特別な衣”を供養する「カティナ シーワラ ダーナ」(14の儀式の3番目)と、比丘サンガの戒律の儀式である「サンガ ウポサタ」(14の儀式の4番目)をご紹介しました。今回は「シーマー(戒壇)認定儀式」の翌日に行われた、日本人ケーマーナンダ見習出家者の「比丘出家儀式」(14の儀式の5番目)と、ミャンマー人の「仮比丘出家儀式」(14の儀式の6番目)の様子をお知らせします。(上座仏教修道会、マッジマ パティパダー通信より引用)。

 

1)日本人ケーマーナンダ見習出家者の「比丘出家儀式」

ケーマーナンダ見習い出家者の比丘出家儀式

 

 2017年11月4日(土)午前8時30分、新淨心庵戒壇サーサナ シリー ダラ シーマー(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)において、日本人ケーマーナンダ見習い出家者は、親教師バッダンタ・ウ・ケサラ大長老と教戒師バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老をはじめ15名の比丘サンガの尊いお導きを受け、見習い出家の段階から比丘出家の段階に入って、仏歴2561年、西暦2017年、平成29年11月4日(土)午前9時05分テーラワーダ・ケーマーナンダ比丘となることが出来ました。

 

ニャーヌッタラ大長老とケーマーナンダ見習い出家者

 

 以下はニャーヌッタラ大長老による比丘出家儀式についてのご説法です。

 

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お釈迦さまがご在世のときから変わらず現在まで続いているテーラワーダ仏教の比丘出家儀式について説明します。

 

比丘出家になるための5つの条件

 

①ヴァットゥ サンパッティ 年齢が20歳に達していること

②ニャッティ サンパッティ 比丘サンガの認知を得ていること

③シーマー サンパッティ シーマーを備えていること

――シーマーとは比丘サンガの正式な儀式が行われる特別な場所です。パーリ語でシーマー、日本語で「戒壇」と言われています。比丘出家儀式(比丘の戒律を受け取る、受具足戒の儀式)は、このシーマー(戒壇)の中でのみ行うことが出来るのです。

④カンマワーチャー サンパッティ 儀式で唱えられる言葉が完全であること

――お釈迦さまご在世時と変わらずに、お釈迦さまが教えられたパーリ言葉で唱える必要があります。他の日本語や英語では出来ません。

⑤パリサー サンパッティ 5人以上の比丘がいること

 

これらの5つの条件を満たし、鉢(パッタ)と、三枚の衣(ティ チーワラ)をはじめとして、8つの資具を備えた見習い出家が、比丘出家になることができるのです。

 

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 ケーマーナンダ見習い出家は、この5つの条件と、日本上座仏教修道会会員、及びミャンマー国家顧問省副大臣H.E.U Khin Maung Tin 閣下、Daw Aye Aye Nyein様、Kyaw Zin Tun 様他関係者による四資具の布施を受け取って、具足戒を得て、総勢70名が見守る中、テーラワーダ比丘となりました。

 

新淨心庵シーマー(戒壇)での比丘出家儀式

 

2)H.E.U Khin Maung Tin 閣下、Kyaw Zin Tun 様「仮比丘出家儀式」

 

 2017年11月4日(土)午前11時、淨心庵シーマー(戒壇)において、H.E.U Khin Maung Tin 閣下より、ご自身の仮比丘出家儀式の前に、大長老をはじめ、上座仏教修道会の皆さんと関係者の皆さまの前に感謝のお言葉をいただきました。H.E.U Khin Maung Tin 閣下と、ご夫人のDaw Aye Aye Nyein様、ご子息のKyaw Zin Tun 様ご家族は、淨心庵シーマー(戒壇)・仏塔建立のために大きな功徳を申し出られた第一人者であられます。

 この日、ご家族は、比丘サンガをはじめ、参加者全員70名分の朝食、昼食のご供養をお布施されました。以下はH.E.U Khin Maung Tin閣下による感謝の言葉です。

 

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 この度は、シーマー(戒壇)認定儀式を成功裡に完遂したこの淨心庵シーマー(戒壇)の中で、私たちの仮比丘出家儀式を行うために準備し、応援してくださった、セヤードーをはじめ、上座仏教修道会の皆さまに、心より感謝申し上げます。日本の中で、このような儀式を行うことは、とても難しく、得難いことと存じます。

 今回、私は、淨心庵シーマー(戒壇)認定儀式のために、お布施をさせていただきました。今までも、ミャンマー国の中で、多くの寺院などに布施をさせていただきましたが、私の人生において、はじめて、最も大きな特別な布施を、この日本の淨心庵シーマー(戒壇)・仏塔建立のために、布施する機会をいただき、私たち家族にとって最上の喜びを体験する機会となりました。

 日本では、2011年~2015年までの約5年間、駐日ミャンマー連邦共和国特命全権大使として務めて参りました。その時から、大長老のお寺である淨心庵や、新宿本部へしばしば参拝し、大長老に教え戒めを賜わり、日本上座仏教修道会の皆さまにも大変お世話になりました。

 日本に純粋なお釈迦さまの教えを伝えておられる大長老のお姿を拝見して、大長老の並々ならぬご努力とご苦労は誠に計り知れません。

 私たち家族は、日本にご縁があり、そして大長老と御会に出会いました。その日本の地において、お釈迦さまの教えが伝わるための淨心庵シーマー(戒壇)へのお布施ができたことは、私たち家族にとって、かけがえのない大きな財産となりました。

 三宝と、大長老へのこれまでの徳とご恩を念じ、日本上座仏教修道会の皆さまへの感謝と共に、これからも、ミャンマーからできるだけ、お釈迦さまの教えが伝わるために日本上座仏教修道会、淨心庵シーマー(戒壇)・仏塔建立のために応援いたします。

 これを機に、ミャンマーと日本の友好関係が栄え、更に両国が発展しますよう、お祈りしながら、感謝の意を表してご挨拶とさせていただきます。

(H.E.U Khin Maung Tin閣下)

 

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 午後2時、新淨心庵戒壇 サーサナ シリー ダラ シーマー(お釈迦さまの教えが伝わるために品位を保つ淨心庵戒壇)においてH.E.U Khin Maung Tin 閣下と、ご子息のKyaw Zin Tun 様の二人の仮比丘出家儀式が執り行われました。

 最初に教戒師バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老のお導きで、淨心庵瞑想堂で仮見習い出家儀式が執り行われました。

 

仮見習い出家志願者を剃髪されるニャーヌッタラ大長老

 

淨心庵内での仮見習出家儀式

 

 次に、新淨心庵戒壇へ移動し、仮比丘出家儀式が執り行われました。親教師バッダンタ・ウ ケサラ大長老と教戒師バッダンタ・ウ・ニャーヌッタラ大長老をはじめ16名の比丘サンガの尊いお導きを受け、仮見習出家の段階から仮比丘出家の段階に入ることができました。

 お二人はこの日から4日間、比丘出家者として瞑想実践に専念され、その後還俗され、尊き法のお土産をもって、ご家族はミャンマー国へお帰りになられました。

 

新淨心庵シーマー(戒壇)での仮比丘出家儀式

 

 以下はニャーヌッタラ大長老による仮比丘出家儀式についてのご説法です。

 

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仮比丘出家の儀式

~ドゥッラバ パッバッジタ「出家とは得難い」~

(ニャーヌッタラ大長老)

 

 仮比丘出家をパーリ言葉でドゥッラバ パッバッジタと言います。ドゥッラバは「得難い」、パッバッジタは「出家」と言う意味です。

「出家とは得難い」ということです。在家の人が、出家を経験するために、期間を決めて、一時的に、出家の生活をすることを、仮比丘出家と言います。セヤードーのような、常に、死ぬまで戒律を具えた比丘出家の生活は出来なくても、1週間とか、10日間とか、期間を決めて、出家の生活をすることも、三宝の縁、比丘サンガの縁になって、今世から来世へとつながる涅槃への大きな因縁になります。

ですから人間に生まれ、三宝に出会うとき、男性在家信者は、仮見習出家、仮比丘出家になるべきだと、ミャンマー人たちは考えています。

また男性だけではありません。人間に生まれ三宝に出会う時、在家女性信者たちも、比丘尼までは出来なくても、正学女や、テーラワーダ尼僧を目指すことは出来ます。仮正学女や、仮尼僧になって、一週間や10日間、期間を決めて、出家者の生活を実践することができます。

ミャンマー人は、男性在家信者も女性在家信者も、このように、得難い出家者の生活を実践する習慣があります。

日本には、まだこの習慣はありませんが、上座仏教修道会の皆さんは、希望すれば、仮見習出家や、仮正学女、仮尼僧などの経験をすることができます。

 

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クラウドファンディング終了のお知らせとご支援継続のお願い

 おかげさまでシーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトクラウドファンディングは2020年4月30日をもちまして無事終了となりました。多くの方々のご厚意により当初の目標を越えるご支援をいただくことができました。スタッフ一同心から御礼申し上げます。プロジェクト実現に向けた大きな一歩となりましたが、多額の資金を要する大型のプロジェクトであり、引き続き通常のお布施によるご支援をいただければ幸いです。

 お釈迦さまの教えが無くならないように、比丘サンガが栄えるように行う支援は大きな功徳になり、将来に渡って幸福をもたらすと信じられています。多くの方が滅多にないこの機会にプロジェクトにご参加いただき、得難い功徳を積んでいただければと思います。

 

シーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立

プロジェクトクラウドファンディング結果

https://readyfor.jp/projects/jpagoda

 

引き続き通常のお布施も受け付けております。

http://jyouzabukkyo.jp/sima/ofuse/

 

 

 シーマー(戒壇)・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクトへのお布施についての詳細はこちらのリンクをご覧ください。

淨心庵「シーマー(戒壇)・仏塔建立」のお布施について

なお新型コロナ肺炎の関係で着工が遅れておりますが、プロジェクトの早期実現に向けて鋭意努力を重ねてまいります。プロジェクトの進捗状況につきましては上座仏教修道会ホームページ
http://jyouzabukkyo.jp/)、シーマー(戒壇)建物・シェーダゴンパゴダ形仏塔建立プロジェクト
https://jpagoda.online/project/)等で随時お知らせいたします。

また下記のFacebook、Twitterにて関連情報を発信しておりますのであわせてご覧いただければ幸いです。

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影山幸雄(かげやま・ゆきお)

1960年、栃木県生まれ。東京医科歯科大学卒。医師。翻訳家。

訳書にリック・ハンソン『脳を鍛えてブッダになる52の方法』、チャンミェ・サヤドー『気づきの瞑想実践ガイド』、ミャンマー連邦共和国宗教省『テーラワーダ仏教ハンドブック ブッダの教え 基礎レベル』(以上、サンガ)ほか。

『テーラワーダ仏教ハンドブック2 ブッダの教え 上級レベル』刊行記念オンラインセミナー開催中

【お申込み受付中】影山幸雄先生の回は2021年1月9日(土)15時~17時です。

『テーラワーダ仏教ハンドブック2』刊行記念「ミャンマー仏教」連続セミナー