サンガジャパン Vol.13(2013Spring)
通常価格:¥ 1,980 税込
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商品コード: 200460
発売日:2013年3月31日
寄稿:プラユキ・ナラテボー・ネルケ無方,石飛道子,藤本晃,師茂樹,中村圭志,
ティク・ナット・ハン,アルボムッレ・スマナサーラ,田口ランディ×本多弘之,藤本晃
ISBN:9784905425465 C0015
A5判くるみ 本文273ページ
特集:言語と仏教
仏教は、約二六〇〇年前にゴータマ・ブッダが悟りをひらいたことによって始まった。そして、仏道を学ぶ者なら誰しも、その悟りを目指して道を歩む。 しかし、ブッダが悟りをひらいたという「体験」そのものは、私たちもまたブッダと同様に悟りをひらくまで共有することはできない。にもかかわらず悟りを目指し努力をするためには、自らがまだその「悟り」を体験してはいないが、それが目指されるべき素晴らしいものであると理解できる必要がある。 だが、先にも述べたようにブッダの悟りの体験を(私たちがブッダ同様に悟りをひらくまでは)共有できない以上、その体験は言葉によって伝えられるしかない。そこには当然、体験そのものとの間にが生じ、多くの解釈が生まれる余地がある。そして、そこからいくつもの宗派が生じる。果たして私たちはそのような言葉によって生じるを乗り越えることは可能なのであろうか? そのような問題意識から、今号では、「言語と仏教」というテーマに多様な角度から肉薄することを試みてみた。 中村圭志氏による「経典のことば」は仏教のみならず、キリスト教、イスラム教の経典を比較対照することによって、宗教における経典の位置づけについて考察する。本特集を読む上で前提となる知識を得るのにうってつけの論考である。 一方、橋爪大三郎氏による「言葉の観点から見る仏教」では、最初は中村圭志氏による論考と同様に一神教との比較から始まるものの、その後論は中国における仏典の変化から仏教の教えと日本語への考究にまでおよび、大変射程の広い論考となっている。 師茂樹氏の「井筒俊彦の『深層意識的言語哲学』をめぐって」は、日本語で書かれた「宗教と言語」というテーマにおける古典的名著といっていい井筒俊彦の『意識と本質』を導きの糸に、仏教と言語哲学の類似点や相違について考察する刺激的な論考である。 これらの論考がアカデミックな立場から「言語と仏教」について探求しているのと対照的に、僧侶であるティク・ナット・ハン師、プラユキ・ナラテボー師らの論考はより実践的な立場から同テーマに切り込む。 ティク・ナット・ハン師は「すぐに効果が表れるプラムヴィレッジの『呪文(マントラ)』の使い方」の中で、彼の教えの中で使われる「呪文(マントラ)」を多数紹介。「呪文(マントラ)」をうまく使うことによって、心を清め、平安な日々を過ごせると説く。 プラユキ・ナラテボー師の「たかが言葉、されど言葉」は、自身の瞑想指導の中で、瞑想修行者たちが陥りがちな言葉の使用に関する誤解について解説。その上で、瞑想実践とはまた別に、仏教では「口の四善業」といった形で言葉を活用した修行法があることを説く。 その他にも、曹洞宗のネルケ無方師の『正法眼蔵』の和英対訳による新訳という意欲的な記事や、藤本晃師による妙好人の悟りに関するユニークなテーマの論考など、バラエティに富んだ記事が多数寄せられている。本特集を通して、仏教と言語をめぐるなコミュニケーションにまた新たな1ページを加えることができるのなら、幸いである。 (編集部)
目次
特集 言語と仏教
- 言葉の観点から見る仏教 橋爪大三郎
- たかが言葉、されど言葉 プラユキ・ナラテボー
- 『現成公案』を逆輸入する試み ネルケ無方
- 幸せになるための「ことばの使い方」 石飛道子
- 「妙好人」源左は預流果に悟っていたか 藤本晃
- 井筒俊彦の「深層意識的言語哲学」をめぐって 師茂樹
- 経典のことば 中村圭志
- すぐに効果が表れるプラムヴィレッジの「呪文(マントラ)」の使い方 ティク・ナット・ハン
- 執筆者一覧
- 編集後記
シリーズ『アビダンマッタンサンガハ』を学ぶ(2)-十の観智 アルボムッレ・スマナサーラ
田口ランディ対話シリーズ 仏教のコスモロジーを探して-親鸞の論理 南無阿弥陀仏の言語論 第三回:本多弘之
連載第八回 仏教としての浄土真宗-自力と他力 藤本晃
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